ダイズを入れる容器(わらづと 藁苞)は、長い藁束の真ん中を縛り、折って作ります。ここに蒸した大豆を入れ、藁についている納豆菌の力で発酵させるわけです。最近の体験学習などでは、雑菌(納豆菌以外の菌)の発生を防ぐために藁苞ごと全体を煮沸することもあるようです。たとえ煮沸をしても納豆菌は熱に強いので、生き残れるからです。
この納豆菌やその仲間は、芽胞という特別な構造を作って熱や悪環境に耐え、温度が生育適温に戻るとそこから増殖していきます。逆に、研究室の実験などで芽胞を死滅させるのは簡単ではありません。そのため、研究室ではオートクレーブという大型の圧力鍋のような実験機器を使い、高圧、高熱で15分以上処理し、冷まして一晩おき、翌日もう一度オートクレーブに入れて処理するというのを3回繰り返します。こうしてやっと、芽胞を死滅させることができるのです。
農大稲花小の豆の授業で、藁苞納豆を見せると、子どもたちはとても興味をもったのを思い出します。授業に合わせて藁苞納豆を買いに行ったこともあります。が、入手できずに藁苞だけを見せたこともありましたっけ。
最近はパック詰めの納豆がほとんどですが、このパックやたれにも、各社の工夫があります。これも調べると楽しいかもしれません。