イカは不漁、サクランボも高温障害....と聞くと、気候変動の影響を感じます。
稲に耐冷性を与えることは育種の大きな課題だったわけですが、耐冷性に加えて、収量性、耐病性......さらにはおいしさへと様々なリクエストに育種の研究が応えてきました。海外の稲作にも対抗できる低コスト生産が可能であること、多収、良食味というのが最近の育種目標となっています。それらに加えて最近は耐暑性も考えなくてはなりません。稲作に夏の暑さが問題となるとは、明治時代の育種家は夢にも思わなかったかもしれません。ただ、稲作においては暑さだけではなく、実際には昼夜の温度差も大きく影響することも、忘れてはいけません。
気候変動は身近な課題ですが、発生する諸問題の原因は複雑ですし、影響の大きさにも大小があります。また、農林水産業における影響も、単に暑さ・気象だけではなく、品種や栽培の方法の変化など様々な原因があるため、ニュースからの情報も注意深く聞きたいものです。
イカやお魚の干物、子どもたち、食べているでしょうか。