・1989年4月1日(土)午前の部会
大管長 エズラ・タフト・ベンソン
『高ぶりを心せよ』 ⑥
高慢の行き着く結果として、
「浮世の利益と誉れ」と権力を求めて作られた
秘密結社をあげることができます。
(ヒラマン7:5、イテル8:9、16、22-23、モーセ5:31)
高慢の罪の実である秘密結社は、
ジェレド人とニーファイ人の文明を崩壊させました。
そしてほかにも多くの国の堕落の原因となり、
それは今後も続いていくことでしょう。
(イテル8:18-25)
高慢はもうひとつ、争いという形でも現れます。
争い、論争、けんか、「不当な支配」、世代の断絶、
離婚、伴侶の虐待、暴動、騒乱、
これらはすべて高慢の範疇に加えられるべきものです。
家庭内の争いは主のみたまを遠ざけます。
また、家族の多くを遠ざける結果になります。
争いの範囲は、憎しみの言葉から、
はては世界的な紛争にまで及びます。
聖典には「高ぶるはただ争いを生じる」
(箴言13:10、28:25)
聖典には、
高慢な人は容易に怒り、恨みを抱く
と書かれています。
(Ⅰニーファイ16:1-3)
そして、相手に責任を負わせたまま赦しを与えず、
自分の傷ついた気持ちだけを正当化しようとします。
高慢な人は、勧告や矯正を容易に受け入れません。
(箴言15:10、アモス5:10)
彼らは自分の弱点や失敗を正当化し、
合理化するため自己弁護に終始します。
(マタイ3:9、ヨハネ6:32-59)
高慢な人は、自分に価値があるかどうかの判断を
世の人々に求めます。
彼らの自尊心は、世の人から自分がどれほど
成功していると思われているかということによって
左右されます。
また、業績や才能、美しさ、知性などにおいて、
自分より劣る人が多いほど、その分
自分の価値が高いと感じるのです。
高慢はみにくいものです。
高慢な思いにとらわれている人はこう言います。
「あなたの失敗は私の成功です。」
もし神を愛し、みこころを行い、
人の裁きより神の裁きを恐れるなら、
私たちは自尊心を持つことができるようになります。
高慢は、確かに破滅をもたらす罪です。
人の成長を制限し、止めてしまいます。
(アルマ12:10-11)
高慢な人は、なかなか教えを聞こうとしません。
(Ⅰニーファイ15:3、7-11)
心を入れ換えて真理を受け入れようとしません。
自分が間違っていることを認めたくないからです。
高慢はあらゆる人間関係に悪影響を及ぼします。
その影響は、神とその僕、夫と妻、親と子、
雇用者と従業員、教師と生徒、
そしてすべての人間関係に及びます。
高慢の度合いは、神や兄弟姉妹に対して
どのような態度をとるかによって測られます。
キリストはどこにいても、
人々を高めようとされました。
私たちもそれを同じ気持ちを持っているでしょうか。
(続く)