ライフデザイン学科 3年 関 隼人

今回のローカルデザイン研究会は西上ありささんか「島のシアワセ、田舎のシアワセ、まちのシアワセ」というテーマで話を伺った。

探られる島プロジェクトNPOいえしまの取り組み

 探られる島プロジェクトは家島本島で、2泊3日のフィールドワークと4日間のワークショップを合わせた計7日間の企画である。全国から多様な専門分野を学ぶ学生や若手社会人が集まり、家島の魅力を探る。家島の日常風景を、産業の風景、もてなし方、海辺、仕事場など様々なことについて、毎年調べ議論をしている。また調べたものをまとめ、プロジェクトブックにしている。

調査の例

 家島でのもてなし方は日常生活の延長線上といった形だ。もてなし上手な人が多く、宴会では昔からの友人のように迎えられ、「またお邪魔したくなる」という感覚になる。だから家島はありきたりの「外」型の観光を目指してはいない。

土祭 

 土祭とは、栃木県益子町の活性化(住民の参加を促進させる)のひとつである。特に重要な試みが、住民と行政の「協働」とボランティア精神である。この祭りの名前の由来は、益子の有名である「土」をテーマにして、土方歳三から土を取り土祭(ヒジサイ)と名付けられた。内容は「環境首都・益子を目指して」「健康長寿の里を目指して」「学びの里を目指して」という「ましこ再生計画」の三本柱を掛け合わせ、アートや展示、朝市やカフェ、ワークショップ、セミナーなど多様なプログラムである。期間は9月19日~10月4日の計16日で、満月から新月まで開催された。

 

海士町やいえしまのまちづくり

 海士町の総合計画は、「ひと」「産業」「環境」「暮し」の4つの視点で計画がつくられた。いえしまのまちづくりの視点は、昔は良かったではなく、今後どうするかを考えてつくられた。西上さんの恩師の一人である、一橋大学の関満博教授は「まちづくりには、ばかもの、よそもの、わかものが必要だ」と語る。西上さんは出会った住民のことを忘れないようにするためのカルテを作る。いろんな町の人に会いに行きメモを取りながら話し合う。その人のやりたいことを実現するための記録を残すことが大切なのだという。「ばかもの、よそもの、わかもの」とまちを結びつける。

感想

 今回の研究会の西上さんの話からまちづくりの奥深さを知った。特に昔は良かったじゃなくて、今後どうするかが大切なのは共感できる。不安の世の中だからこそ、住民一人一人が積極的にまちづくりに参加することが大切だ。そして人々が信頼し合って住みよいまちは育っていくと思う。