こんにちは！

個別指導塾「エルクレードル」薬円台校の長島です。

「褒めて伸ばすのがいいか」
「叱って伸ばすのがいいか」

ずっと以前からよく論じられてきたように思います。

指導者によって、

これにはそれぞれの考えがあるのだと思いますし、

巧みな指導者の方は、
これを相手によって使い分けているように見受けられますが、
私はあまりそういうことはしません！（自慢にならない笑）

また、私の生徒たちと私の部下を経験したことのある方は、
あまり私が人を感情的に叱らないことを知っていると思います。

もちろん子どもが暴力を振るったとか、
他の生徒さんが危険をこうむるような状況では叱りますが。

私が基本的に、

「人を叱っても良いことはない」

と考えているのは事実です。

じゃあ、
生徒さんたちを「積極的に褒めて伸ばそう」としているかというと、

別にそうでもないです。

・・・。

おい、この人、指導中なにもしてませんよ！！

いや、待ってください。違います笑

注意や指導はちゃんとします。
ただ絶対に逆らえないような怒気や暴力性を込めた叱り方をしないということです。

また、超国語塾で「伝え方」と「聞き方」を教えているように、
私は褒めたくなったら、率直にそれを伝えます。

ムリして褒めてもですね、
それと見抜く生徒さんが多かろうと思うからです。
私は子どもや年下が相手でも、決してあなどらないことを信条としています。

彼らは経験値が確かに少ないです。
だけど、ただそれだけだからです。

そして私自身も子どもの頃から、
「自分はまだ経験が少ない。だけど大人との違いはそれだけだ」

だから絶対に大人に比肩できるはずだし、

大人と対等に扱ってもらいたいと思っていました。（←超生意気）

若かろうと老いていようと、違う人格で違う人生を歩んでいるのですから、
私の知らない知識や才能、能力などを皆さん必ず有しています。

話をもとに戻して、
私があまり子どもを叱らない理由。
今日はそうしたことを書いてみたいと思います。

※なお、本記事の「叱る」とは、
アドバイスや注意するといったレベルを超える、
子どもからするとときには、苦痛や恐怖を伴って従わざるを得ないものと考えてください。

＜叱られた子どもはどうなるか＞

スポーツでも勉強でも、
叱って伸ばそうとするコーチは一般的だと思います。

ただですね、

叱られて成長を促された生徒さんは、結果的に

「弱くなる」

と思います。

それは、

「勝負をしなくなる」と言い換えてもいいと思います。

スポーツが好きな人、
勉強が好きな人、
その他、何かが好きな人は、

新しい技ができるようになって楽しいとか、
新しい知識を身に付けることが気分が良くて好きとか、
友だちと勝負して勝ったの負けたのと笑うのが嬉しいとか、

そうしたポジティブな気持ちを取り組みに対して「必ず」持っています。

こうしたポジティブな気持ちは、
親や教師が何かそれほど働きかけることなく、
自然と彼らがもつようになるものです。

つまり、元々私たち人間が持って生まれたもので、
特に周囲が「与えてやる必要はなかった」ものです。

＜なぜ人は人を叱るのか＞

そもそも、なぜ人は叱るのか。

それは、きっと期待しているからですよね。

何か期待する水準があって、
それを満たせない人に叱りたくなる感情が湧いてくるわけです。

また、コントロールできると思う相手に対してそうなります。
（降ってくる雨に対して、空を叱る人はいないですね）

また、叱られる側になると、

「あなたはこのようになるべきだ」

と、いう指示を与えられたことになります。

ある意味、それに従えばいいだけなのはラクですね。
（自分で考える必要がなく、言い出した責任もとらなくていいので）

そして、言う通りにすれば、「もう叱られないで済む」わけです。

しかし私はこれが、『子どもの心に根を張る』ことが多いと考えています。

「叱られたくない」

「負けてはいけない」

「勝たなければいけない」

「言われた通りにしなければいけない」

「こうやって生きていかなければいけない」

「私の幸せのカタチはこうだと決まっているから、そうしないといけない」

そして

「誰かを失望させてはいけない」と、

そうした『義務感』を与えられて、それを生きるようになります。

それが心臓に仕掛けられた爆弾のように根を張って、
その子と一緒に生きていくようになります。

＜叱った結果どうなるか＞

例えば、スポーツのコーチや塾講師で、

バリバリに怒りまくり叱りまくる人がいると思います。

そうすると、選手は強くなりますね。

試合に勝ち。テストの結果も出している。何が悪いのか。

私も分かっています。
叱ることが、勉強でもスポーツでも即時の成果を生みやすいことは。

ハッキリ言って、すぐに成果を上げてくれる、

「叩き~~のめし~~伸ばしてくれる笑」

と、ご期待いただけるので
塾であれば、商売繁盛。売上もとても上がります。
やったね！

それは、会社としてはいいでしょう。
利益追求が原則の会社としては。

ただし私は、

『強く叱ることで結果が出るのは数ヶ月～数年という短い期間でのみ』

だと、考えています。

そもそも塾やスポーツのコーチが生徒さんの指導に関われるのは、

数年程度であることがほとんどですから。

関わっている間だけの仕事を考えれば、

怪獣のように怒り散らした方がいいのかもしれませんが笑

でも、それで良しと考えられるなら、私はこの仕事を選んでいません。

子どもは大人を食い物にして成長するものですが、

それが逆であってはならないからです。

10年後、20年後、30年後…といった本当に長いスパンで見たときに、

大きくなった「元・子どもたち」に対する
周囲からの期待や義務感そして失敗するリスクは、
子どもの頃とはもう比較にならないほど、大きくなっているはずです。

それを「やりたい」という自らの溢れ出る気持ちと共存させ、
自分をさらに前に進めることに使える人は、
おそらく子どもの頃に爆弾を仕掛けられなかった人が多いのだと思っています。

私たちが共通して見知る例では、

例えばスポーツ選手や芸能人でいうと、
成績優秀で今後も期待された人物が電撃的に辞めたり
衝撃的にボロ負けして、いたたまれず業界を去ったりするときが
まさに周囲が与える期待と義務感の高まりに、

本人の心が「もう…ダメだ…」と、ペシャンコに押しつぶされたときです。

気をつけるべきは、
大人が子どもたちのそうした気持ちを育むよりむしろ、

「もともとある火を消してしまわないこと」だと私は考えています。

塾は授業をして宿題を出します。
それは、言い換えれば「やるべきこと」を与えるわけです。
それが刺激となって、取り組みを促すわけですが、

人がもっともパフォーマンスを上げるのは、

「やるべきこと」と
「やりたいこと」が
『一致している』ときです。

「やるべきこと」が強くなりすぎるとそれは、
「やらなければいけないこと」となり、
本人の気持ちをだんだんと塗りつぶしていきます。

「やるべきこと」と「やりたいこと」、
この2つのバランスは常に紙一重です。

力をつけて実績を上げれば、
必然として周囲からの期待は集まって高まり、
「やりたい」が「やらなければ」となり、
「勝ちたい」が「勝たなければ」となって、
本人に対する圧力を増していきます。

「大したことないな」
とか
「思ったより、ダメなんだね」

と、期待をかけられてから、
そういうふうにガッカリされたとしたら、誰でも大きく傷つきますね。
期待に応えなければ、と思うものです。

ただ、スポーツはもちろん、
勉強だって仕事だって成長を続けていけば、

「挑戦すること＝うまくいかないかもしれないリスク」

を必ずとることになります。

失敗をおそれすぎていれば、
そうしたリスクをとれないので、

チャレンジできない。
あるいは、絶対にうまくいくことだけに取り組む。

という姿勢を強く持つようになります。

チャレンジができない人の成長はそこで頭打ちです。

「挑戦することそのものを楽しみ、勝ってなお喜ぶ」

ではなく、

「負けて失望されないようにする」

勝負して、

「やった！勝った！！嬉しい！！！」

ではなく、

「よかった。今回も負けなくて…」

と、考えるようになります。

「自分がやりたいから」ではなく、

「みんなにガッカリされたくないから」やっている、ようになります。

つまり、ここまでバランスが傾くと
これはもう自分ではなく、

他者の人生を生きている

ことを意味します。

幸不幸でいうなら、私は不幸なことだと思います。

引きこもりの方が

「俺がこうなったのはお前のせいだ！！」

と、親御さんを罵倒している様子を捉えたドキュメンタリー番組などがたまにありますが、究極になるとこういう感じだと思います。

周囲が期待の圧力と指示を与えすぎて、
ご本人に何も考えさせず、決めさせず、責任を取らせずに来てしまったことの末路です。

あなたという人間にとっては、
あなた自身の気持ちや考えがまずあるべきで、

その他のことはすべて、
軽視しろとはいいませんけども、
考える順番で言うなら二の次であるべきなのです。

あなたは他者の人生を生きるべきではない。

自分の人生に対して、
アレコレ勝手を言うだけで最終的に責任をとれない他者の人生を生きるのではなく、

どのような結果になっても、

自分の気持ちと人生に責任をとって、生きるべきだ。

と、いうのが私の考えです。

これは、最近よく聞く「自己責任」の論調と一緒にしてほしくなくてですね、

（これはネガティブに責任の捉え方を曲解して他者を責める情けない大人のすることです）

いわば、

自分自身をしっかり大事にしようという積極的な姿勢

だと考えてもらえるとうれしいです。

（こちらはポジティブな考え方ですから）

しかしそれでも、ある意味1番厳しいのが私だと思うんですが、

どうなんでしょうね笑

その代わり、生徒たちがどのような選択をしようと、
私は彼らの味方であろうと思っています。

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