普段は食っちゃ寝の生活をしている我が家の猫。


早朝からフライングバルセロナアタックをみぞおちに食らわす、


どうしようもない猫だ。





そして必ず夕飯時になるとガサガサと猫砂を掘っくりかえして・・・・


目を細めながらウンチング。


まさに“快便”といった、悦楽に浸ったような表情をするのだ。




我が家の夕飯時にはいつも料理の匂いと“うんこ臭”が入り混じっている。


ご主人様の顔を見ていると便意をもよおすという、大変太い神経を持った猫だ。


そしていつものように猫のうんこ臭に包まれながらちびちび晩酌をする。


決して美味いとは言えたものではないが、慣れとは恐ろしいものだ。





しかし毎回ご主人様もしてやられてばかりではない。





ビールのつまみに買っておいた海産物の乾き物の封を切る・・・・


猫にとっては、なんとも香しい匂いが溢れ出す。


嫁さんにうるめ鰯を軽く炙ってもらう。




焼き上がってちゃぶ台の上に出されてくると同時に、


猫も鰯の匂いに惹き付けられてやってくる。




そして鰯を親指の頭くらいの大きさにもぎり、


ご主人様自らのまたぐらの下に置く。


即座に鰯をかりかりと食べ始める猫。







「ふっふっふっ。馬鹿め・・・・・・」






そして腹の下に力を込める。



「ブブブブブッ!!!」











ご主人様のケツから発射された屁。


ハーレーダビッドソンのような鼓動が床に伝わる・・・・






強烈な悪臭が猫の顔面近くに漂う。


「おぬし、まだまだ甘いよのぉ~、カッカッカッ!」


その時の猫の表情がたまらなくご主人様と嫁の笑いを誘うのだ(笑)


数秒後には台所から「くっさーい!!!」という声がしてくる。




そんな日常が我が家では続いている。



そんな普段は役立たずの猫なのだが、


時として大仕事をこなしてくれる事が稀にある。




どこの家庭でも嫌われ者である“ごきかぶり様”を即座に発見し、


追跡するという離れ業を先日も披露してくれた。



どうやら猫様は、“ごきかぶり様”が地を這う足音が聞こえるらしい。


寝転がった猫が突如として起き上がり、耳をピンと立てたその先には・・・・


黒々とした松崎しげる様が様子を伺いながら抜き足、差し足、忍び足・・・・




間髪入れずに猫が飛び出す・・・


部屋中を逃げ回る松崎氏・・・・


これでもかと伝家の秘技、“猫パンチ”を松崎氏に繰り出す猫。



そしてその光景を目の当たりにした嫁が悲鳴を上げる・・・・



「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!」




嫁の絶叫に猫も驚き、すくみ上がり、目を丸く見開いている。






今だ!!




ご主人様は掃除機を引っ張り出す。


スイッチを入れると同時に、松崎氏が中に吸い込まれていく。


我が家の掃除機はトルネード式なので、


クリアケースの中で松崎様が竜巻に巻き込まれて回っている・・・・


ある意味、ごきかぶり様アレルギーの人にはおぞましい光景だ。





そんな大役を果たした猫様、


本来ならば鰯3本、鰹節一握りのご褒美を授かれるはずなのだが・・・・・


その後には何故か嫁からのお仕置きまがいの事をされてしまう。


こればかりは猫様が非常に気の毒に思えてならない。




ずぶ濡れになった猫が風呂から飛び出して来る。




松崎氏に鼻を近付けたり、パンチをお見舞いしたが為に、


嫁に「バッチイ!!」と言われお風呂に入らされる羽目になった猫様。





これではあまりに忍びない・・・・・


見かねたご主人様は【守護神】という称号を猫様に与えると同時に、


高級猫缶+またたびの褒美を授けたのであります。






Paranoia-paradise★