読みました。


徒然なる人がおすすめだというので。






……なんつーか……すっごいへこむわ……。






以下感想書いても良いかな!


おもしろい話だと思うので、みんなももし読む機会があったら感想聞かせて欲しいな。



――まあゆうめいなさくひんなので、ねたばれとかきにせずいきます。






まず、一行目から、





グレゴール・ザムザはある朝、なにやら胸騒ぐ夢が続いて目覚めると、ベッドの中の自分が一匹のばかでかい毒虫に変わっていることに気がついた。





……ひとしきり笑いましたよ、そりゃ。


一行目から虫になった。なんかよく分からないけど、起きたら虫だった。


で、こいつ何を思ったか。


たしかにいろいろ考えてはいたようだが、




『仕事に行かないと』




というのです。


この時点でグレゴールは仕事人間なのかな、と想像が付きますね。




そして、会社の上司が無断欠勤を咎めるために家にやってきます。


ずっと部屋にいて、まだ家族にも虫になったことは知れていません。


でも上司がきたことによって家族は焦ってグレゴールを部屋から引きずり出そうとします。


彼の家は父が仕事で借金をつくり、そのことでグレゴールの会社の社長に対して弱い立場にあるものだから、余計に必死に。



そこでついに家族らの前に虫のすがたで現れてしまったグレゴール、このあとどうなってしまうのか――!




みたいなお話なんですけど。


もともとこれを読んだのは中島敦の『山月記』を国語でやって、変身繋がりでって感じだったんですが。


山月記の方は、李徴は自分なりに虎になった理由を考えて納得出来てたじゃない?


いや、納得してなくてもおおかた理由の見当はついてた。



でもグレゴールはどうですか。



彼自身、虫になった理由について真剣に考えてた場面がないと思うんだよな……。


まだ、一回だーっと通して読んだだけなので何とも言えませんが。




だいたい仕事と、家族の心配をしただけだとおもう。


といっても、虫になってからの彼は存在自体迷惑だったんだろうから


彼の心配は何の意味もなさなかったのかな。




しかも、家にお金を入れられなくなったわけでしょ?


その時点でもうグレゴールは家族にとって意味のない存在だったのかなぁ。






山月記の李徴さんは、


『おれの中の人間の心がすっかり消えてしまえば、恐らく、そのほうが、おれはしあわせになれるだろう』


って言ってました。まあ実際、手放しによろこべるような普通の幸せって形ではないでしょうね。


でも、そうすればおそらく人間としての李徴さんは悩まなくてすむからいいんだろうか。


結局最後は人間李徴さんは消えて虎になったっぽい――あくまで私の想像だけれど――から、


大分ねじ曲がったものだけど幸せを手にしたわけだ。



グレゴールはというと、途中から壁を這いずり回りだしたり、


だんだん虫化していったはしていったけど最後まで「家族のために仕事へ行かなきゃ」とか、


そんなことばっかり考えてて、ついに妹がなんかきれて「あれ」呼ばわりで



あれが兄さんなら私たちのことを思ってすぐに去ったでしょう、あれは兄さんじゃない



だとか



あれを厄介払いしなくてはいけない



的な事言ったのをきいて――それが直接の原因かはわからないが――グレゴールは死んでいったわけでしょう。



なんのためにグレゴールは虫になったんだ、虫になる必要があったんだ。



ちょっと理解が出来ない。



身近な例だったらさ、虫じゃなくても。いきなり半身不随、とかなにか障害を負ってしまった


みたいなそんなことあるかもしれないじゃん。


カフカがいいたいのはそういうことなのかなぁーって。


それまで家族にずっと必要とされていたグレゴールが、ある一時点から、ただの重荷のようになった。


必要とされていたのが日常とするならば、重荷となったのは非日常?


日常がそんな簡単に続いていくと思うなよ、みたいな。


うーん、難しいな。




で、ラストについてもなんだけど


結局グレゴールいないはいないで、進んだじゃん。


最後は妹に新たな希望を見いだしてた、家族的にはグレゴールが


虫になって、死んだのは結果オーライじゃんね。



実際父親、実はまだお金を隠し持っていたし、グレゴールがいなくなってから働きだした。


グレゴールにリンゴを投げつけるくらいに元気だったしwww


あのリンゴ取ってやれよグレゴール化膿しはじめてただろwwww


妹もそうだし、母もそう。


いなきゃいないで、どうにかなったわけだ。


でもいい感じに働き手としてグレゴールがいたから、


上手いこと利用――この言い方は少々酷?好んで使いたくはないが――していたんじゃないかな、と。


そういうところではグレゴールはもともと虫みたいな要素はあったのかな、なんて。



だとしたら家族のために――虫のように――働くことだけをして生きてたような


グレゴールの価値ってなんなの?独りよがり?


グレゴールに関しての救いがあるの?


あるとすれば、彼が利用されていたことなど露知らず、最期まで家族のことを思って死んだことくらいか。


きっとそれでグレゴールもしあわせになれた……のかな。



なんか、同じ事ばかりを言ってるような気がするけど。



結局なんでグレゴールが虫になったか、ってのは考えちゃいけないんだろうね。


最初に、『グレゴールが虫になった』っていう事実がある。




この非現実的すぎる変身というテーマで、なんだろう、よっぽど現実にありそうなことを書いたのかな。


書いた人と話がしてみたくなったなぁ。







なんか、言いたい事が上手くまとまらないので、今日はこのへんで。



一冊の本を読んで、こんなにいろいろ考えたのは初めてかも知れない。


国語の授業みたいな読み方した気がするもん、だからこんなにいろいろ考えたんだろうけどさぁ。



調べたら、中島敦はカフカを評価していた、みたいな記述みつけましたよ。


なんかすこし驚いちゃうあれだなぁ。