父が余命宣告された。

肺がんで 余命半年と。

その場に同席していた私は  冷静だった。

私と逆に 母親は相当動揺していた。


普段、不仲でも夫婦とはそういうものかもしれない。


私がなぜ冷静だったのか。

理由はわかっている。


79年生きて来て

子供も居て(私の事です)

花嫁姿も見て

孫も見ることができ

ある意味、一般的に言う

幸せな人生だったのでは?と

父親に対して思う。


苦労や辛いこともあったでしょうけど

それが人生では?


住む家もある。

日々、食べるのに困らない生活ができている。

余命半年と言われたならば

その半年の間に

今までの79年を振り返り

思い出し

自分が逝った後のことを

考えることが出来るのだから



突然逝った人達からしたら

なんて幸せなんだろうと思われるに違いない。


想いを伝えることが叶わなかった人達から見たら

羨ましいだろう

『伝える時間が半年もあることが』



私の考えはこう。

しかし

母親は違った。


母親は私に

『冷たい子だね』

そう言って部屋を出ていった。


言葉足らず。

私も母親も。


親は子供より先に逝くのが

『この世の常識』

順番。

1番幸せな順番。


母親から見る旦那と

娘から見る父親。

思いが違って当たり前ですよ。


孫を無くした祖母と

我が子を亡くした母親では

思いが違う。これも当たり前。


もちろんそれで

人生観さえも変わる。


誰にも苦しさを吐き出すことが出来なかった15歳の我が子。

79年生き 余命半年と言われた父親。


私の人生観、価値観、

何か、間違ってますか?