「法定養育費制度」が施行予定。平成27年度問33から学ぶ「養育費」と民法(親族)の重要ポイント
離婚時に養育費の取り決めをしなかった場合でも、法律で一定額を請求できる「法定養育費制度」が、来年5月までに施行される予定です。現時点では、月額2万円とする方向で検討が進められています。なお、この法定養育費は、あくまで養育費の取り決めが行われるまでの暫定的・補充的な制度として位置付けられています。法定養育費制度とは?【2026年5月までに開始】 養育費を決めずに離婚しても請求可能に | 離婚のカタチ法定養育費とは、離婚時に養育費の取り決めがない場合でも、法律に基づいて一定額を請求できる制度です。子どもの最低限の生活を維持するための標準的な費用を基準に算定され、法務省令で具体的な金額が定められます。2026年5月までに施行予定で、養育費の未払い問題にも一定の効果が見込まれますが、家庭の事情に応じて必要とされる養育費は異なるため、弁護士のサポートを得ながら…rikon.asahi.com行政書士試験では、「民法(親族)」分野から婚姻や離婚に関する問題が定期的に出題されます。たとえば、平成27年度の問33では「養育費」に関する設問が含まれていました。問33で扱われた内容は、実際に私たちの身近な相談事例としても起こり得るものであり、学習しておくことで実務や生活にも役立つ知識となります。-----H27 問33婚約、婚姻および離婚に関する以下の相談に対する回答のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。ア.<相談> 私はAとの婚約にあたりAに対して結納金100万円を贈与したのですが、結局は婚姻に至りませんでした。私はAに対して結納金100万円の返還を請求できるでしょうか。<回答> 結納は婚姻の成立を確証し、併せて当事者間の情宜を厚くする目的で授受される一種の贈与とされています。婚姻が解消された場合には原則として返還すべきものですので、あなたには結納金の返還を請求できる権利があります。イ.<相談> 私は事実婚状態にあったBと合意のうえ入籍することにして婚姻届を作成しましたが、提出前にBは交通事故に遭い、現在昏睡状態にあります。こうした状態でも先に作成した婚姻届を提出すれば、私はBと正式に婚姻できるのでしょうか。<回答> 判例によれば、婚姻が有効に成立するためには、届出時点における当事者の婚姻意思が必要です。婚姻届作成後に翻意したというような特段の事情がないとしても、現在Bは意思能力を欠いた状態ですので、婚姻届を提出したとしても婚姻の効力は生じません。ウ.<相談> 私は配偶者Cとの間に子がいますが、Cは5年前に家を出て他で生活しており、子の養育費はすべて私が負担しています。Cに対して離婚訴訟を提起するにあたり、併せてこの間の養育費の支払いを求めることができるでしょうか。<回答> 子の監護に要する費用は、婚姻から生じる費用です。婚姻費用の請求は婚姻の継続を前提とする請求であるのに対して、離婚訴訟は婚姻の解消を目指す訴訟ですから、このように性質が異なる訴訟を一緒に行うことはできません。離婚を申し立てる前に、監護費用の支払いを求める訴えを別途提起する必要があります。エ.<相談> 私と配偶者であるDとの婚姻関係は既に破綻しており、離婚にむけて協議を進めています。D名義のマンションを私に贈与することをDと私とは書面により合意したのですが、離婚届を提出する前日になって、Dは、この贈与契約を取り消すと言ってきました。Dの取り消しは認められるのでしょうか。<回答> 民法の規定によれば夫婦間の契約は婚姻中いつでも取り消すことができますが、その趣旨は、夫婦間の約束事に法は介入すべきではなく、当事者の道義に委ねるべきだというものです。婚姻が実質的に破綻しているような場合にはこの趣旨は妥当しませんので、Dはマンションの贈与契約を取り消すことができません。妥当なものの組合せはアとエになります。ア 結納とは、婚約の成立を確証し、あわせて、婚姻が成立した場合に当事者ないし当事者両家間の情誼を厚くする目的で授受される一種の贈与であるとしている(最判昭和39年9月4日)。婚姻が解消された場合は目的不達成により不当利得返還請求ができます。イ 妥当でない婚姻の成立には婚姻の意思が必要となり、届出書の作成当時に婚姻の意思を有していれば有効に成立する。婚姻意思は、婚姻の合意のときだけでなく、戸籍上の届出時にも必要であると解されているが、判例は「事実上の夫婦共同生活関係が存続していたとすれば、その届書が係官に受理されるまでの間に同人が完全に昏睡状態に陥り、意識を失ったとしても、届書受理前に死亡した場合と異なり、届出書受理以前に翻意するなど婚姻の意思を失う特段の事情のないかぎり、当該届書の受理によって、本件婚姻は、有効に成立したものと解すべきである」としています(最判昭和44年4月3日)。ウ 妥当でない子の監護に要する費用は、婚姻費用であり、離婚の訴えにおいて、別居後単独で子の監護にあたっている当事者から他方の当事者に対し、別居後離婚までの期間における子の監護費用の支払を求める旨の申立てがあった場合には、裁判所は、離婚請求を認容するに際し、当該申立てに係る子の監護費用の支払を命ずることができるものと解するのが相当であるとしている(最判平成9年4月10日)。つまり、子の監護費用は、離婚訴訟の中で、離婚後の監護費用と一括して請求することが認められています。エ 夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる(民法754条)婚姻中とは単に形式的に継続していると解すべきではなく、実質的にそれが継続していると解すべきであり、婚姻関係が破綻している場合は、婚姻中と解することはできず、第三者間の契約と同様と考えられる。よって取り消すことができません。離婚と子どもをめぐる 令和6年家族法改正のキーポイント ~共同親権・養育費・親子交流~Amazon(アマゾン)離婚と子どもをめぐる 令和6年家族法改正のキーポイント ~共同親権・養育費・親子交流~ [ 池田清貴 ]楽天市場