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法律問題を経済的インパクト(金額)に置き換える!

企業経営の意思決定は、数字に基づいて判断されることが多い。

売上や利益に直結する価格戦略とか生産計画などに限らず、日常の経営上の意思決定は、出来る限り、データを分析し、定量化し、数値化して判断されることが多い。

しかし、多くの経営者は、法律問題を数字に置き換えて判断することは余りしないように感じる。

目先にかかる弁護士費用の額などを前提に、なんとなく、感覚で判断することも多いように感じる。

それは正しいことなのだろうか。

ある取引契約において、もしも契約の不備があった場合に1億円の損失が生じうると仮定した場合、その契約の抱える経済的リスクは少なくとも1億円である。たった一つの文言,条項が1億円の差を生み出すかもしれない。

契約書レビューで20万円かかるとしても、上記のようなリスクが無くなるなら、経営上大いに意味がある投資ないし費用であるといえる。安いものである。

商標権侵害をして10億円の損害賠償を請求されるような事案の場合、事前に商標権調査を行うなり、自らが商標権を取得していれば、そのような損害を免れることができたかもしれない。商標権侵害を避ける為に数百万円の弁護士費用がかかったとしても、それは、意味がある投資ないし費用である。

ある社員の残業代の未払いが100万円あったと仮定する。その社員から訴えられる前に、払っておけば100万円で済んだことかもしれない。しかし、訴訟になり、レピュテーションが下がり、売上が下がり、採用でも優秀な人材がこなくなったりすると、その損害は100万円では済まない。数千万円、数億円単位の損害になることもあり得る。

法律問題を予防すること、発覚後、速やかに円満に解決することは、経営上も極めて大切なものである。企業経営に大きな影響をおよぼすからである。

法律問題が経営に与えるインパクトを数値化して分析すること、それに基づいて経営上の意思決定を行うことは極めて重要なことである。

顧問弁護士に月々数万円~10万円程度支払うことで、将来の大きな損害や紛争が予防出来るなら安いものではないだろうか。

確かに、個人であれば、経済的合理性を無視して、感情的な面から法律問題の解決を図ることもありえるとは思う。

しかし、企業経営者は、会社経営を担っている以上、感情に流されず、法律問題を経済的インパクト(金額)に置き換えて考えてみることも大切だと感じる。

弁護士 成瀬直邦
問い合わせメールアドレス naruse@lawfirmconsulting.jp