今日は行政書士試験の記述式対策について、ぼくの考える対策を書いてみたいと思います。
今年の行政書士試験では、行政法から1問、民法から2問出題されました。問題ごとに対策を考えます。
まず行政法。
事情判決でしたね。これは事情判決の定義さえ知っていればできる問題です。定義はどのテキストにも掲載されているのでだいたいは押さえているはずです。ただ、定義のどこがポイントなのかを考えてインプットしておく必要があります。簡単に言えば、普通の判決と何が違うかを押さえるということです。事情判決のポイントは、請求棄却判決、主文で違法を宣言、です。棄却なのに主文が違法て、普通の判決からは明らかに変ですからね。テキストには判決の項目に事情判決や普通の判決が並べて記載されていると思いますが、何となく眺めるのではなく、どこが同じでどこが違うかを意識することで、自ずと定義のポイントは見えてくると思います。この問題は、事情判決とは何かを意識して学習すれば当然できる問題です。細かい知識を問うわけではないですから。ちなみに、後述する趣旨を意識するという観点からは、事情判決は何のためにあるのかまで事前に学習しておく必要があったと思います(議員定数不均衡事件の判決が説明してくれています)。事情判決をした具体例が出てくることはマストです。
次に民法。
代位の付記登記については、条文そのままでした。この問題のポイントは、求償権確保のために代位、代位の付記登記、あらかじめ、です。代位の付記登記の問題だと事案から気付けること、気付いた上で501条を正確にアウトプットできることです。
前者については、事例分析の練習が必要でしょう。単に条文を読んでもできるようにはならないですから。代位権を書いたなんて意見も聞きますが、全く事案分析ができてない証拠ですからね。択一問題演習の中でも事例式の問題を通じて、記述ででたらどう書くかを意識する必要があるでしょうね。
また、後者については、条文です。単に条文だけ読んでも頭に残らないので、択一問題演習をやり、テキストや条文をチェックする作業を繰り返すことで記憶が定着するでしょう。501条が細かいと感じる方は考え方を変えたほうが良いかもしれません。条文についても、ポイントを意識して記憶する必要があります。その際には、501条が何のためにあるのか=趣旨を押さえながらやるのが良いと思います。代位弁済する第三者の利益と債務者からの第三取得者の利益とのバランスですよね。第三者は代位できます、はい終わり、では意味がないでしょう。その先はどうなんだというところですよね。代位できるのはわかったと。第三者は保護されそうだと。じゃあ、債務者からの第三取得者はどうするのというところですね。民法は条文で対立する人どうしの利益のバランスを図っています。その条文が誰のどんな利益を考慮しているか、対立利益は何かを考えながらやると良いと思います。代位の付記登記すれば第三取得者にもわかるのでその限度で保護しましょうということですね。なお、501条が行政書士試験対策問題演習になければ、法学検定やタクティクス等をやると良いと思います。ぼくの感覚では、決して細かい条文ではありません。
最後に、相殺の条文の趣旨ですが、これも先程述べたように、趣旨から押さえていく学習をしていれば、まさにどんぴしゃりの問題です。条文は趣旨とセットで押さえることを当局は求めてるようです。条文は単独で見ると無味乾燥ですが、保護される人を思い描き、対立する人を思い描く。条文相互の関係まで考える(499条や500条と501条の関係)。これによって全体像が理解できるようになると思います。
記述式試験は細かいことは全く聞いてません。条文、趣旨、定義を入れ、事例の中で知識を使えるように意識して択一問題を演習すること。これだけです。司法試験の論文問題は不要ですが、行政書士試験対策問題では足りないかなとも思います。何を使うかではなく、どんな能力が求められていて、その能力をどの素材を使って鍛えるか。自分の能力も考えながら、やり過ぎないように、プランニングすればそれほど大変ではないと思います。気をつけていただきたいのは、単に知識が足りないと思いこんで条文読むだけや無目的に演習やるだけでは必要な能力が鍛えられず、同じ結果を繰り返す危険性があるということです。行政書士試験の講師ブログをよむと、かなり不十分な感じなのでそれが少し心配になりました。予備校は後追いなので、ある程度自分で分析して対策をとったほうが良いと思います。