Daisy Jealousy | Pourriture noble


おげれつたなか先生のBL作品。

おげたな先生は‥なんと言いますか。
画力もとにかく丁寧で綺麗で素晴らしいのですが。
登場人物が持つ感情の機微が‥もう丁寧で緻密で‥。

‥凄いです(いつもこんなんしか言えん)。

また今回の設定がたまらん。
ゲームクリエイター(?)とかの世界の事は分からないので。
業界用語(?)みたいなのは全く通じてませんが。

抜きん出た才能を持っていて、誰もが一目置くような人が。
脇目も振らずに、超一途に何年も一人を想い続けていて。

その人は特別な才能とかは無いんだけど。
でも凄く笑顔が可愛かったり、温かい人柄だったりして。

とにかくもうめちゃくちゃ愛されちゃう。
みたいなのがめちゃくちゃ好きなんです私。
(『はいからさんが通る』も、ちょっとそーゆー感じありますよね(*´艸`))

それが今回は、同性で。
同じものを目指している若者で。

どんなにもがいても努力しても敵わない人から、めちゃくちゃ愛されるという。
メンタルイカれまくりそうなお話。

この
『特別な才能を持った人』
から愛されるという経験をしたわけではないのですが(^_^;)

とんでもない才能を目の前にして。
その素晴らしさがもう心地よいほど分かっちゃって。
それと同時に凄まじいほどの、嫉妬と劣等感と敗北感と己の才能の無さと無力感に襲われてしまう。

そういう体験をリアルタイムで日々感じている者としてはもう。
この作品を拝読していて、胸が張り裂けそう‥いやもうちょっと張り裂けたわ。ちゅなもんでした。

そのお相手(ていうのかしら)は、たくさんいらっしゃるのですが。
なんと言っても筆頭に挙げるべきは、Twitterでいつもお世話になっておりますM先生。

もうこんな。
劣等感云々を勝手に感じてるのも申し訳ないほどの実力の差で、本当に申し訳ないばかりなのですが。

何もかもが本当に本当に素晴らしい。

私のような者があれこれ言う必要もないのですが。

『M先生にお持ち帰りされた画材達は幸せ者だな』
って思うほどの画材の使いこなしよう。

時間をかけて描かれた水彩画は勿論国宝級なんですが。
短時間でサラサラと描かれた作品も、その線の一筋一筋に迷いがなくて。
でも、一番あるべき所に綺麗な線がサッと引かれている。

その全てが奇跡のように美しい。

勿論、何度も模写しましたし。
バカなので、水彩にも一瞬手を出しました。

でも、0.1ミリたりともM先生には近付けなかった。

しかも、それが全部独学だなんて。
衝撃的でした。

私は水彩色鉛筆が全く使いこなせませんでした。
『私には特別な知識があるわけじゃないし』
『こんな特別な画材、使えなくて当然だよね(`・ω・´)ふんす』
って思ってたのですが。

M先生の作品を多数お持ちの方が、原画をお見せ下さった時。
その中に水彩色鉛筆で着色されたものがあって。
完璧に使いこなされていて。
独学は嘘(ごめんなさい)なのではないかと、本気で思いました。

M先生は
『普通の色鉛筆みたいに塗って、ばーって水筆で伸ばしただけです』(意訳)
と少々恥ずかしそうに仰ったけど。
そうしたがな。
私もそうしたがな。

もう、画材を扱う感覚が違う。

才能がある方にとっては、もはや
『特別な学び·知識』
すらも必要ないって事じゃねーか。

以前、小栗 旬さんが
『俺は雰囲気イケメンだ』
と仰っていたのを拝見したのですが。
(いや、小栗さんは立派なイケメンさんですが)

それを言うなら、私に備わっているのは
『雰囲気画力』
なんです。

『なかなかお目にかかれない画力』
と言って頂けても、担当にも付かないし。
『綺麗だからあまりバレないかもだけど、同じアングルしか描けてないですよね』
って、しっかりプロの目では見抜かれてるし。

ホントは言われるほどの画力なんか無いんです。

思ったようになんて描けたためしがない。
古臭くて下手くそで、すぐにデッサンが狂う。

一通り描いて。
ちょっと時間置いて再度見て。
遠くから見て。
裏から透かして見て。
写メして、加工アプリで反転させて見て。

それからペン入れするのに、それでもなんかおかしい。

水彩も使えないし、色鉛筆やコピックもいつまでたっても上達しない。

『絵を描くのが好き』
って気持ちは同じなのに。
何この差は。

元々生まれ持った才能もだけど。
きっとM先生は私が想像するよりも、もっともっとたくさん絵をお描きになって。
たくさんたくさん葛藤されて。
いっぱい努力されたからこその画力であって才能なんであって。

私が嫉妬だの劣等感だの、つまらない感情を抱くなんて。
勘違いも甚だしい。

だし。
それ以上に、M先生のお人柄が素晴らしすぎて。
こんな私の邪悪な感情すらも寄せ付けません。

なので。
私は自分のそんな感情を忘れて、M先生と厚かましくも楽しく交流させて頂き。
作品も全力で楽しませて頂いてます。

‥この感情を忘れてたんだけど。
『Daisy Jealousy』の三咲くんが、見事にその汚い感情を蘇らせました。

三咲くんは、一度大好きなゲームの世界から離れるんですよね。

それもすんごく分かるの。
M先生の才能を目の前にしても、私が筆を折らないのは。
一度、絵を描く事から離れて。
その間の、自分のつまらなさを知っているから。
再び描くようになって。
その楽しさを再確認して、もう離れられないのかもと思ったから。

下手くそなくせに、一丁前に
『描くのが楽しい』
とか、どの面下げて言ってんだって感じで‥申し訳ないのですが(^_^;)

しかし。
三咲くんが改めて教えてくれた、一番大切な事は。

『どう足掻いても絶対に敵わないそのお方が作り出すものが、好きで好きでたまらない』
って事でした。

『自分もそうなりたい』
『少しでも近付きたい』
って、どうしても思ってしまうけど。

それが全然出来なくてメンタルヤラれるけど。

それ以上に、M先生が作り出す作品·世界が大好きなんです。

そして、『絵を描く』事が好きでいられる事が誇らしいのです。
大好きな方も、絵を描かれているから。

たがらやめない。
下手くそだけど。




↑M先生に拝み倒して頂戴した線画(何してんだ迷惑な)に着色させて頂いた、私にとって奇跡の一枚。

黒髪の兼堀の髪を黒に出来ませんでした。
黒なんて濃い色を怖くて使えなくて、藍色っぽい感じで留めてしまいました。

そんなんだから、M先生には0.1ミリも近づけないんだな。


あれ。
『Daisy Jealousy』の感想を記事にするつもりだったのに(^_^;)