プロフェッショナル 仕事の流儀 | Pourriture noble


宮崎 駿先生が出演された番組が再放送されていました。
前にも視聴したことがあるものでしたが。
大好きな先生なので、途中からでしたがやはり見ない訳にはいきませんでした。

何度見ても、ひとつの作品を作り上げるまでの苦悩や葛藤や‥。
なんて言ったら良いか分からないような‥。
『命を削っている』
って、文章にしてしまうと何とも陳腐で申し訳ないのですが。
ホントに
『命を削って』
いますよね。

常に苛立ち。
タバコに火をつけ。
スリッパを脱いで、貧乏ゆすり。

いつも見る、先生が机に向かう後ろ姿。

そして。
こんな私が言うなんて、何様だ感が酷いんですが。
先生が度々零す
『違う違う』
『‥面倒臭い』
『面倒臭いなぁ』
と言う言葉があったんですが。

なんかもう。
生意気ですが、凄く分かる(^_^;)

私も原稿している時、ずっと言ってます(^_^;)

むちゃくちゃ面倒臭いんです。

面倒臭いところって、凄く大事なとこばかりで。
絶対に妥協したくないところばかりなんですよね。
(いや、原稿は基本的にその時の自分の実力を常に絞り出して描いてますが)

もう、こうするしか表現出来ないんだけど。
それをやるとむちゃくちゃ面倒臭いのがもう目に見えている。
でも、やらずには居られない。
やらないと、残念だけど何も表現出来ない。

だからホントに
『面倒臭いならやめれば?』
って言われたら、先生が仰るように
『うるせぇ』
なんです(^_^;)

大体、ネーム(絵コンテ)描いてんのに、また原稿(セル画(?))にも描くんだもん。
最強にめんどくせーです。

それで。
凄い変なトコにこだわっちゃうから、いつまで経っても終わんない(^_^;)

宮崎先生が、女性の髪を少しだけ揺らめくように下描きしているのですが。
ホントに数ミリしか動かないから
『多分、誰も気付かない』。
先生もそれは分かっていながら、でも、変化を付けずには居られない。
『動いてる』
って事には気付かないんだけど。
先生が仰っているように
『気配』
は、感じる人には感じるんです。

『気配』!!!!
宮崎先生、凄く的確な日本語見つけたなと感激しました。
誰にも気付かれないと分かっていても。
こーゆー時、髪は微かに揺らめく。
それを知ってしまったら、もう表現しないわけにはいかないんです。

私も、この左側の子の髪にカケアミトーンを貼ることは決まっているのだから、乙女貼りしても殆ど意味が無いと分かっていても、貼らないわけにはいかないんです。
他のところには貼ってあるのに、カケアミトーンを貼ることだけ貼らないなんて。
気持ち悪すぎる。




私はトーンが削れないので、乙女貼りは全て切り抜いてますし(^_^;)

髪にも乙女貼りが施してある
『気配』。

宮崎先生が仰るものとはちょっと違うかもですが(^_^;)
何故、そこに
『気配』
が必要かと言うと。
彼女を見つめる恋人は、彼女の髪の毛一筋までも全てが可愛くて、愛しいものだから。

私も、私がこだわる
『気配』
を大切にしてきました。




こーゆー髪の描写にしないと感じられない
『気配』。
こーゆー皺の描き方をしないと表現出来ない
『動き』。
こーゆートーンの種類で、こーゆー貼り方じゃないと構築出来ない世界。
があるから、私は自然とこーゆー描き方になったんだなと。
改めて思いました。

しかし。
そんなこだわりを持っていても。
持ち込みすれば
『今はこーゆー髪の描き方しないんですよねぇ』
で終わり。

マジでトラウマになるし。
ホントに傷つきますが。
これはひとえに、私が下手くそだからに過ぎないんですよね。

自分でも、妥協せずにこだわって原稿描いたつもりでも。
自分が表現したいものは表現出来ていないと言うのは分かる。

だから、無駄に
『なかなかお目にかかれないレベル』
と言って頂けても。
担当に付く価値すらない。

はぁ‥。
支離滅裂な上に落ち込んできた( ´_ゝ`)

でも。
宮崎先生ほどのお方であっても。
『違う』
って呟きながら作業してんだから。

私なんかがすっかり納得した作品を生み出すまでは、まだまだ道のりは長いわけですよね(^_^;)

現に今も。
イライラしたり落ち込んだりしながら、ネーム描いてます( ˙-˙ )ムムム


そう言えば。
『あのこに1000%』にハマって以来の北川 みゆき先生の作品を拝読したんですが。

北川先生もなかなかのボリュームな唇を描いていらっしゃって。
なんか安心しました(^_^;)




手の描き方。
目の描き方。
膝(膝裏)やヒールの描き方。
胸の膨らみによって発生する服の皺の描き方。

北川先生の絵柄は、いっぱい真似しました。