黒蜥蜴 ② | Pourriture noble


今回の『黒蜥蜴』は。
大きな装置やセットが無く。
効果音や小道具などで、場面を表現していました。
そう思った時から
『雨宮と早苗が投獄される牢は、どう表現するんだろう?』
と、気になっておりましたが。

長い蛍光灯を4本、黒装束の役者さんがそれぞれ立てて持ち。
それを牢の四隅として表現していました。

この作品を知る者であれば。
2人が牢に閉じ込められたと容易に分かりますし。
牢が閉まる瞬間も『ギギギギ‥』と、乾いた効果音がありましたが‥。

この作品を初めてご覧になった方で、これを牢だとお分かりになったお方は‥。
どのくらいいらっしゃったのでしょう?(^_^;)

私はアホなので。
私だったら、分からないまま終わっていたと思う(^_^;)

とてもスタイリッシュな作品でしたが。
ここだけは諦めて、牢獄のセットを作った方が良かったのではないかと感じました笑


*明智 小五郎(井上 芳雄さん)
ミュージカル界の大スターを起用しておきながら、一瞬たりとも歌わせないと言う笑
なかなか斬新な井上さんを拝見する事が出来ました笑

でも何か、良かったと思う。
歌声もセリフを言う声も好きではありませんが。
セリフだけだったら
『まあ、こういうお声の役者さんも居るよね』
と、素直に思えたので笑
(ごめんなさい。好みの問題です。)

そして何より。
あの
『俺、今からめっちゃいい歌歌うから!!!!』
的な(まだ歌ってもいねーのに)ドヤ顔が無かったのが良かった笑
(ミュージカル界の大スターさんに向かって何て事を‥!!笑)

彼のお声に関してだと、こんなことばかり言ってますが。
今回の作品では。
『この人、こんなに私好みに演技する人だったかな?』
と思うほど、見事でした。

明智さんは主人公ではないので。
心の揺らめきなどは、黒蜥蜴ほど緻密には描かれていません。

でも。
彼が、黒蜥蜴のどこをどう好きになったとか。
いつ、どんな事があって好きになったとか。
もはやそんなのどうでも良くて。
ひと目見た時から。
明智さんにとって、黒蜥蜴こそが本物の宝石だったんです。

彼にだけ、輝ける宝石。

彼女の髪の一筋も。
手入れの行き届いた爪も。
繰り出される知的な言葉も。
全てが宝石なのだと。
井上さんが演じる明智 小五郎は、饒舌に語っていました。

なんか。
今回とても井上さんが長身に見えたのですが。
元々長身さんだったんですね。

あれでしょうか。
いつも山口 祐一郎さんばかり観てるから、男性俳優さんの身長感覚おかしいのでしょうか?笑