THE GREAT GATSBY ② | Pourriture noble


劇中、度々出る緑のアーチ風の装置。
とても素敵で、白い薔薇がたくさん咲いているのですが。
その薔薇が‥。
ティッシュを丸めたヤツみたいなクオリティの低さ(゚ω゚;A)

「君は薔薇より美しい」
という、ギャツビーのセリフが非常に印象的な作品ですから。
単なる装置とは言え、そこに使用されている薔薇も、ある程度美しくあって頂かないと。
デイジーの美しさについても、クオリティが落ちてしまいます。


*デイジー·ブキャナン(夢咲 ねねさん)
安定の可愛さ。
安定の美貌。
私の愛する、呼吸するお人形さん。
ギャツビーが彼女を忘れられず、ずっとずっと出会った頃のままの気持ちを持ち続けられたのも。
トムが猛アタックして結婚したというのも。
会う男性達が、彼女を見て咄嗟に
「凄い美人だな」
と言ってしまうのも。
全く無理がありません。

でも少し、目元がお疲れかな?(^_^;)
なんて思ったのですが。
ギャツビーと再会した瞬間。
お疲れだった目元にパンっと張りが出るという。
『女優だなおい!!!!』
な離れワザをしてみせたねね様。

可愛い娘を出産したものの。
明らかに、夫からは愛されていない事を感じていて。
人間的にも、そんな彼を尊敬出来ないでいた。
でも。
この生活はもう一生変わらない。

ギャツビーは。
そう思っていた時に出会った、忘れられない人。
それを言葉ではなく、ご自身の大きな大きな目元で表現していらっしゃいました。

私が一番期待していた、ギャツビーに出会った頃のデイジー。
宝塚歌劇で初演では。
デイジーを演じられた鮎 ゆうきさんは、スカーレットになったくらいの気持ちで演じていらっしゃったとか。
それだけに、鮎さんの美貌も相まって。
非常に気高く、高嶺の花感がありました。

ねね様も、そんな風に演じられるのかな?
と、勝手に思っていたのですが。

ピンクの薄いレースがあしらわれたドレスを着て、ボールが転がるように飛び出して来たデイジーは。
少しお転婆で。
大きな黒目をキラキラ輝かせて。
瞬きをする度に、長い睫毛からは玉虫色の鱗粉が舞うのが見えるようで。
綺麗な軍服を着た青年にドキドキが隠せない。
とても少女らしい少女でした。

気高いデイジーも好きでしたが。
ねね様が表現するデイジーも魅力たっぷりで。
ギャツビーが、一目で恋に堕ちてしまうのも仕方ないです。

しかし‥。
宝塚歌劇団退団後、だいぶ歌唱も頑張られているのは分かるのですが‥。
どーにも残念ですね(^_^;)
めちゃくちゃ可愛いし、私はねね様のお声も好きなので。
私は全く気になりませんが‥。
観劇するのは、そういう方ばかりじゃないですし。

特に、このギャツビーに出会った頃のデイジーは厳しかったです(^_^;)

デイジーと言えば。
「女は綺麗なおバカさんの方が幸せなのよ」
と言う名言がありましたね!!
私、完全に忘れてました。
(て言うか。初演がまだファンになって間もない頃だったので、この作品についての記憶がほとんどありません(^_^;))

女性としては、何とも考えさせられる名言ではありますが。
この作品に登場するマートルも、なかなかの
『綺麗なおバカさん』
だと思うんですが。
彼女は、幸せではなかったですね(*゚・゚)

デイジーが言う
『おバカさん』
とは、種類が違うのかしら?(゚ω゚;A)
って言うのが、凄く気になって笑

ギャツビーと共に旅立つ(?)事が出来なかったデイジーが
「綺麗なおバカさんになってやる!!!!」
と、宣言していました。
トムとの結婚は、まさしくそれを体現した行動だったのでしょうけど。

全然、なれなかった。

ほんの一瞬、愛し合えて。
ほんの一瞬、再会出来て。
その一瞬だけを一生思い続けて、これからも生きて行かなくてはならないデイジーは。
おバカさんになれる筈がないんですよね。

何とも悲しい、美しい人。

最後。
ギャツビーのお墓に、白い薔薇を無造作に投げ入れたのって。
どういう気持ちからなんでしょうね?

あれこれ、デイジーの心情を考えてはみてるのですが。
なんか、どれも違うような気がしています。

ただ、ひとつ嬉しかったのは。
ギャツビーもデイジーも。
デイジーの娘をとても大切にしていた事。
自分達の幸せも考えるけど、それに巻き込まれる娘の幸せも大前提にしてくれていました。

そこが、『ミス·サイゴン』のクリスとは違うところじゃないでしょうか?笑