珠城 りょう as ロミオ | Pourriture noble


2012年に上演された月組『ロミオとジュリエット』の新人公演を拝見しました。

一本モノの新人公演って、一部カットされる場面がありますが。

この作品も、前半をガバッとカットされていましたね。

愛と死が踊る中、あらすじを説明し。
仮面舞踏会の場面から始まると言う演出。

結構なのですが‥。

開始10分程度、主人公とヒロインが仮面を着けたままって(;^_^A

『たまみゆ』(って言うのかしら?笑)が贔屓でない私でも、損した感じがしました(;^_^A


でも。
珠城 りょうさんの演技や存在感は、そんな事も忘れさせるほど素晴らしかったです✧*。

ガタガタ震え、オドオドしているヒロインを包み込む笑顔は、ドキドキするほどカッコ良いのに。
ベンヴォーリオやマーキューシオに向ける笑顔は人懐こくて可愛い。

当時、研5でしょうか?
本役お二人のような、キラキラや天使感はありませんが笑

珠城さんなりの『ロミオ像』をしっかり確立する実力をお持ちでした✧*。

それを一番感じたのは、一幕の最後。
教会に来たジュリエットを迎える件。

それまで
『ジュリエットが大好きで大好きで仕方無い』
と言う、無邪気な様子だったのに。

ここから表情がガラッと変わって。

『一人の女の子』
を見る瞳ではなく
『僕のものになる女性』
を見つめる瞳でした。
(モノと言う表現は嫌なのですが、上手く文章に出来ません(;^_^A)




まだ若いロミオが、そんな明確な覚悟を持ってジュリエットを迎えているのか?
ビミョーなトコですが。

珠城さん演じるロミオは、この表情を不自然には思わせませんでした。




からの、この笑顔!!(灬º Д º灬)


また、ヴェローナを出て行く前。
ジュリエットの部屋を去ろうとするロミオが、あまりの名残惜しさに一度離れたものの
「もう一度キスを‥!!」
と駆け寄る件。

凄く小さな、かすれたお声で言うんですよね。

ここでのセリフを知らない人には、もしかしたら聞き取れなかったかも知れないくらい。

ミュージカルとしては、あまり良い発声ではなかったかも知れません。
珠城さんご自身も、咄嗟に声が出なかったのかも知れません。

でも。
ホントに出て行こうと。
ジュリエット無しで生きて行こうと、一度離れたけど。
文字通り名残惜しくて。

もう一度ジュリエットの感触を覚えたくて。
ロミオ自身も驚いたのかも知れないくらい咄嗟だと、声って出ないのかも知れない。

そのかすれ方があまりにも切なくて。

ドキッとしました。


私は、『月雲の皇子』も途中までしか見てないし(;^_^A
『Bandito -義賊サルヴァトーレ・ジュリアーノ-』も観劇していないので、真ん中に立つ珠城さんをちゃんと拝見したのは初めてでした。

研5でこの実力って‥。
素晴らしいスターさんだとは思っていましたが、これほどとは‥。
と、今更ながら驚きました。


あと。
もう一つ驚いたのが。
キャピュレット卿を演じた貴澄 隼人さん。

本公演で認識した事は無かったのですが。

本役さんに匹敵するほどの
『オジさんが醸し出す色気』
があってΣ(,,ºΔº,,*)

男役の声がしっかり出ていて、安定感があり。

何より歌唱力が素晴らしい!!

この新人公演でソロを貰っている生徒の中で、もしかしたら一番の歌唱力だったかも知れません✧*。

彼女が今後、本公演でも活躍される事を期待します✧*。