カックル先生の魔女学校に夏がきました。でも、だからといって、気の滅入るような学校のふん囲気が、変わるはずもありません。学校の建っている山は、いつも霧がうずまき、うっそうとした松の木におおわれているのですから。
新学期の最初の朝、一年生のクラスは、ぱっとしない夏服almo nature 狗糧を着て、教室に集まっていました。夏の制服は、冬服より、もっと地味で、黒とはい色がチェックになった、半そでのワンピースです。腰にまいたサッシュベルトが、いくらか色どりをそえていますが、あとははい色のソックスに、黒のひもでしめるくつ。冬の間、黒いウールのちくちくする長くつしたに、つつまれていたおかげで、みんなのひざは、びっくりするほど白く見えました。
見たところ、こんないん気なようすなのに、教室には、わらい声がひびきわたり、生徒たちは、学校が始まって、とてもはりきっていました——ミルドレッド以外は。「心配」これがミルドレッドの胸のうちをあらわすのに、いちばんてきせつないい方でした。ミルドレッドは今、つくえの上にこしかけて、モードが、お休みの間におこったことを話しているのに、耳をかたむけているふりをしていました。
ほんとうのことをいうと、モードの話は、耳をす通りしていたのです。今学期中に、おこるにちがいないおそろしいことを、あれこれ想像するのでいっぱいだったからです。まだ始まってもいない学期のことをですって? これから、何週間も何週間も続くのに! ミルドレッドは、先学期の終わりに、あきれるほどひどい通信簿をもらい、家族のみんなに、今学期こそは、ちゃんとやると約束したのでした。
カックル先生がわざわざ親切に、ミルドレッドが、学校を破滅からすくった日のことを、下記加えてくれましたが、むだでした。そんなことぐらいでは、それまでのとんでもない日び——物にさわればこわすし、何かをやれば失敗ばかり、その上、物事をおもしろくしようとして、ちょっとしたいたずらがやめられない、といったような日びのことを、うめあわせするには、足りなかったのです。ともかく、ミルドレッドが、家に持ち帰ったうちでも、最悪の通信簿でした。
「ミルドレッド!」モードの声でミルドレッドは、はっと我に返りました。
「ちっともひとの話、聞いてないじゃない」
「あら、聞いてるわよ」ミルドレッドは、あわてていいました。
「じゃあ、何をしゃべってたか、いってごらんなさいよ」
「ええと——たん生日にペットのコウモリをもらったっていう話じゃなかった?」どうか、あたっていますように。
「ほらごらんなさい、聞いてなかったじゃないの!」モードは、ここぞとばかり、「そんなの、十分も前にした話よ」
とつぜんドアが開いて、みんなの恐怖の的、ハードブルーム先生が、冷たい突風のように、さっと入ってきました。先生は、見たことのない女の子を連れています。生徒たちは、びっくり大腸癌口服標靶藥仰天して飛びあがり、あとはいつものように大さわぎ。つくえのふたはガタガタいうし、みんな自分としてしょう突したり、てんやわんやです。
「おはよう、みなさん」ハードブルーム先生は、てきぱきといいました。
「おはようございます、ハードブルーム先生」生徒がこたえます。
「みなさん、学校が始まって、さぞかしうれしいことでしょうね」ハードブルーム先生は、目を細めて、最前列の不運な生徒を、じろりとにらみつけました。「お休みも終わって、いよいよ新学期です。勉強に対して、そなえは充分できていますか?」
「はい、ハードブルーム先生」生徒たちは、せいいっぱい正直そうな声で、いっせいにこたえました。
「よろしい!」ハードブルーム先生は、気のなさそうな形ばかりのはく手をしました。「さて、転校生を紹介します。イーニッド・ナイトシェイドです」先生は、うつむいて、床に根がはえたように立っている転校生を骨ばった手で、さし示しました。
イーニッドはせの高い少女でした。ミルドレッドよりも、高かったのです。それに、大きな手足をしていて、いささか不器量でした。髪はミルクティのような色で、きちんとたばねて、ふとい一本のみつあみにしています。でも、しばっている黒いリボンをほどいたら、すぐさま波うって、ばらばらになりそうでした。
「イーニッドは、今学期から、みなさんといっしょに、勉強をすることにな