町を出よう
小人はこの町で育った。
小人から見るこの町は、彼にしか見えない光を放っていた。
小人はこの町を歩いた。
気がつけばいつも裸足、彼は靴を履いたことがなかった。
小人が行くその方向へ、二匹のチワワが追ってゆく。
ある日、小人は道で出会った白人に
サンダルってもんをもらった。
それは、白人の子供がはいてたものだった。
満月のつきが消えはじめた時、小人はサンダルをはいて町を出る。
町の横には国道が、どこまでも彼を導いていた。
彼はその小さくて、でもたくましく鍛えられた胸をはり
右手を大きく振りながら車を止める。
さあ時間だ。 町を出よう。