「乳腺外科でも出来なくもないんだけど……筋肉はこっちが専門だから」
四谷センセは整形外科に生検の予約を取ってくれた。
再発のメイン箇所、胸元のミニ筋肉富士山の組織採取だ。
予約したこの日(7/10)は血液検査もMRI検査もあり大忙し。
再発確定宣言で心配したのか精神腫瘍科にも予約してくれた四谷センセ。
「最後に乳腺外科に寄って下さいね」
ハイハ~イ、了解です。
血液採取→精神腫瘍→放射線科MRI撮影→整形外科(生検)→乳腺外科の予定。
整形外科は初診になる。
昨年秋から通っていたのは今住んでる市の駅近 整形外科。
リンパ浮腫の右手を庇い左手を使い過ぎて中指が腱鞘炎になったことがきっかけ。
リンパ浮腫他の理由で右手が真っ直ぐ上がらなくなった状態もそこの院長先生が指摘。
腱鞘炎治療と共に右腕の機能についてリハビリに通うように言って下さったのだ。お陰でリンパ浮腫を患いながら真上まで右手は上がるようになった。
とにかく初めて掛かるがんセンターの整形外科。先生もどなたに当たっても「初めまして」になる。
当たったのは少々髪の毛の寂しい背は低いががっしりした中年男性医師。
「お初めてですね。どうしました?」
「えっとここが再発して……えっと……脱いじゃっていいですか?」言いながらも上衣をズボッと脱ぎボディスーツになって術側のブラ紐を下ろし傷痕と再発箇所などを説明する。
このセンセは私と電子カルテを見比べて「コレは生検をしろってことなの?」
えっ!……四谷センセは生検を依頼したんじゃ?
「まあ、取るか……キミ、◯◯の用意!」
疑問を口に出す暇もなく整形外科中年男性先生はむちゃくちゃ短気で自分で投げたツッコミを自分で拾う。
「外来で大丈夫でしょうか?」
「外来でヤりましょう。入院すると面倒だしね。キミ、◯◯呼んで。あ、まだよ。用意してから。」
私に回答しながら看護看士にも指示出し。
指示された看護士、いつも乳腺外科でよくしてくれる山川さん。入院中からごお世話になりいろいろ助言していただいている。整形外科にも居るなんて!
私が気がつくと「わーい」って感じで手を振ってくれにっこり。センセのつるっとした登頂部越しでね。
「じゃあそこに寝て。まあ、入院したらずっとCT見ながら出来るからほんとはそっちの方が確実なんだけどま、イケるでしょう。」センセはずっとせかせかしてる。
私は処置のベットに寝るし山川さんは「呼んで良いですか?」センセに聞きながら私の胸にバスタオルを掛けカーテンをひく。
ワゴンかなにか引き寄せられて医療器具がガシャガシャいう。
エコーの準備だ。
「見えると恐いでしょ。こっち向こうか。」センセに促されて左を向く。
「まず、麻酔打つからね。はい、ちょーっと痛いよ。」
看護士が私の右肩をがっしり押さえにかかる。
麻酔とは分かっていても恐いし針が痛い!
針がささると思わず「ううっ」とうめき声が漏れる。
山川看護士の押さえつけてる手がグッと強くなる。
すぐに効いてきて引き続きセンセは私の胸元で何かしているが何も感じない。
「あれっ?何処だ?さっきはあったのに横になると……よく分からないな……ここか……んーここか?」センセ、ちゃんとエコー見えてる?も一回起き上がっても良いのよ!?
センセはエコーを見ながらここだろうという箇所を決めたようだった。
心の中で「おいおい!マーキングでもなんでもすりゃ良いじゃん!」と呟く私だったが……
先生はミニ筋肉富士山の斜め横から刺し始めた。同じ穴から4回、角度を変えて採取された。
「ちょっと大きな音がしますよー。」
バシュッ!ともパンッとも何とも言い様のないバコラ生検のバネ音。
初発ん時も太陽センセ、1回目で取れてないとか2回やられたよな。
検診でかかった内科で細胞診と合わせて3回刺されたよね……
思い出すわ。
中年センセ、生検の注射器を確認すると私の頭側にいつの間にかスタンバイしている白衣の男性に渡す。
病理の方なのだろう……と医療用のワゴンがスタンバイしていてささっと試薬だか何か入れてる。
「◯◯呼んで!」って病理のスタッフだか先生だかの事か……
初診の頃の主治医、太陽先生のやり直し生検とか「ステージ1ですね。」の誤診発言とかを思い出しちょっと不安になっていたが病理の人にきてもらっているんなら安心だわ。
先生は「はい、バシッとしますよー。」どんどん刺してどんどん抜き注射器の中身を看護士にどんどん渡す。
山川看護士先生と「XXXXXX、えりあのらさん、昭和△△年□□月◯◯日生まれ。」と声に出して確認している。
間近に立って居る病理先生のところへ数歩動いて手渡しながら「XXXXXX、えりあのらさん、昭和△△年□□月◯◯日生まれ。」と病理先生とも繰り返し確認している。
きちんとやってくれてありがたいとも思うしちょっと自分のことながら笑える。
1年ほど前、乳がんの検体取り間違え事故を起こしたこのがんセンター。
部分摘出でよい30代患者を全摘手術してしまったと言う。
発生病院としての改善事項かな。
昔はこんな絵面を見ることはなかったわ。
中年先生→山川看護士→病理先生の流れでバコラ生検はすぐ終わった。
その後、乳腺外科で四谷センセと話して「整形外科に戻ってきてと言われてるんですが?」と聞くと科から科へ持って歩く私のファイルには「クラスⅣ」と書いてあり「やっぱり間違いなく”がん”ですね。でも結果出てるのになんで戻るんだろ?」
整形外科に戻って待ってたらもう寄らなくても良かったそうで。
手順がバタバタしてんのは3年間では改善されてないわ。
それにしてもやっと「再発乳がん」が確定してホッとした。
耳鼻咽喉科でがん宣言されたのはいつのことだっけ。(→6/14)
初発もそうだけど本当に時間がかかる。
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