ロンが我が家にやってきて、2ヶ月と少し経ちました。



最近ようやく、「この人たちが自分の家族なのかな」と思い始めてくれたようにと感じています。
生活のペースにも慣れて、長い時間のお留守番でもとてもいい子でいてくれますし、散歩のときもご飯のときも、とてもよく言うことを聞いてくれます。

もともと、勘がよくて賢い子だったんですね。

ピンポンで吠えたり、遊びだすと興奮して甘噛みしたり、もちろんまだ問題もあるけれど、そこは焦らずじっくり教えていきたいと思っています。
そもそも、自分で仔犬から育てたからって完璧な犬になるわけじゃないですからね(笑)



よく、保護犬はトラウマとかもあるから飼うのが大変…という話を聞きますよね。
そういう噂だけで、「気持ちはあるけど私には無理。だからペットショップで買うしかなかったの。」という人にも何人か会いました。

「保護犬だと大変でしょ」って言われたこともあります。

なんだかなあって思います。

もちろん、保護犬の中には、ものすごいトラウマを抱えていたり、病気を持っていたり、人に対して臆病になってしまっていたりする子もたくさんいます。

そういう子たちのために、「気楽に引き受けてほしくない」というボランティアさんたちの気持ちはよくわかります。

そういう子を引き取るのは大変そうだとか、私には無理とか、その気持ちもよくわかります。
それは、私も無理だって思います。
仕事もあるし、子供もいるし。

でも、保護犬はめんどくさそうだからペットショップで買ったほうが安心とか、
それも違うと思います。

ペットショップの仔犬だろうが、捨て犬だろうが、保護犬だろうが、
性格の穏やかな子もいれば難しい子もいます。

ペットショップで買おうが、捨て犬を拾ってこようが、保護犬を引き取ろうが、
動物を飼うって、やっぱりある程度めんどくさいです。
最初はみんな大変です。あたりまえです。

それなのに、「保護犬だから」ってだけで「大変そう」って。
そのイメージは、すごくもったいないなあって思うんです。


私なんかよりずっと余裕があって、動物を家族同様に愛する心があって、私なんかよりずっと優しくて人間味もあって真心もあって。
そういう人たちが、「保護犬大変そうだから」ってペットショップに足を向けてしまう。

もったいないじゃないですか。

まずは保護犬の中で自分の家の条件に合う子がいないかどうかを探してみて、会いに行ってみて、それでもどうしても見つからなければ、ブリーダーやペットショップに行ってみるのも仕方ないかもしれません。

でもその前に、「大変そう」っていうイメージだけで、探そうともしないんですよ。
その人たちは、決して動物に対して無責任なわけじゃないんです。
むしろ責任感が強いから、「自分では力不足だ」と思って諦めてしまうんです。

こんなもったいない話はないじゃないですか。
志のある人たちには、少なくとも「まずは保護犬から探してみよう」ぐらいの行動に出てほしいじゃないですか。

もちろん、気軽に保護主を名乗り出てほしくない、真剣に考えて名乗り出てほしいという気持ちはわかります。
でも、ハードルを高くしすぎて、チャンスを逃してることもあると思うんです。

なにしろ、ボランティアさんたちの努力が並大抵ではありません。
保護された犬たちの治療をし、心の安らぎを与え、少しでも新しい家庭に馴染みやすいようにと、預かっている間に必死で努力して訓練してくれているんです。

そういう努力を知ることもなく、「保護犬は大変」てイメージだけで探してももらえない。

ほんとにほんとに、ほんとにもったいない。


私は、「うちでも引き取れる」と思える子が見つかるまで探すつもりでした。
問題のある犬や病気のある犬を引き取る自信はなかったから。

マンションだから大きさにも制限があったし、
年齢的にも、あまり歳をとっている子では子供たちが可哀想だと思ったし、
逆に、仔犬でも躾をする時間は取れないと思ったし、
なにより、第一印象で「かわいい」と思える子でなければ続かないと思ったし。

正直、結構条件は厳しかったと思うんですよ。
でもね、探すことから始まるんです。

ちゃんと見つかるんですから。
というより、そうやって少しでもいい子になるようにと、日々努力しているボランティアさんたちがたくさんいるんですから。




ロンは、もうすっかり家族の一員です。
本当にたくさんの笑顔と喜びを届けてくれています。

保護犬だったことなんて、私たちにとっては一切関係ありません。
単純に、家族の一員なんです。


一人でも多くの人が、お迎えを待つ可愛い動物たちに、まずは会いに行ってみてくれますように。
そして、一匹でも多くのワンコが幸せになりますように。