心から「美味しい」と唸れるフレンチって、
正直なところあんまり思いつかなかったりします。

で、「どこかおすすめは?」と言われてついつい挙げてしまうのがこちらのお店。

新宿伊勢丹の4Fに入っているお店です。
なーんだ、百貨店のイートイン…と侮ってはいけませんよ(笑)


今回、お邪魔したのは3回目。

最初は確か2年ほど前。
サロン・デュ・ショコラの期間中、クリスティーヌたちがランチに招待してくれました。

ボリーさんともその時初めてご挨拶をさせていただきましたが、料理人としては雲の上の人ですからね。
めちゃめちゃ緊張したのを覚えています。

その後、お料理の印象がよかったのでグルメなお仲間を誘って再訪。
うん。やっぱり美味しい。
ていうか、ひとつひとつの完成度がやたらと高いぞ。

ロオジエのスタッフをそのまま配置する贅沢なサービスも、百貨店クオリティをはるかに超えてる。



と、いうわけで。
散々自慢話を聞かせていた主人と、私たちが「中華の師」と仰ぐ素敵なマダムをお誘いしての今回。

どちらも料理のクオリティに関しては一家言あるどころか、そんじょそこらの評論家より確かな味覚と評価眼を持っている強者(^^;

絶対おすすめだから!と自信をもってお連れしたものの、正直、ちょっとドキドキではありました。
ロオジエが再開してしまったせいで、こちらの料理のクオリティが下がっていたらどうしよう?とか、
サービスの質がガタ落ちしていたらどうしよう?とか。


でも、そんなことはいらぬ心配でしたね。

なんといっても、これはたまたまだったと思うのですが、ボリーさんご本人がホールに出ていらしたこと。
すぐにご挨拶をして主人とマダムをご紹介。にこやかな笑顔で一気に癒されました。

そのおかげか、スタッフの皆様も終始とても気を遣ってくださって、サーヴィスは言うことなし(笑)

そして肝心のお料理はというと…。
これもまた、記憶を確信に変えてくれた完璧な出来栄えでした。





クラシックなキッシュ、仔羊、プチポワ・フランセーズ、ヴァシュラン、パリブレスト、オペラ…。
何のひねりもないメニュー。
写真でみたら、へ?って思うような野暮ったい盛り付け。

…でもそんなの関係ねえっ!うめぇ!!

って叫びたくなるほど、火入れもアセゾネも素材の扱いも提供温度も、全てが適切。
個々の完成度がとにかく高い。



この羊なんてね、ほんとにすごいですよ。
量もすごいけど、火入れがね。

最近のフレンチでは、真空調理だかなんだかで生焼けっぽいロゼ肉ばかりが主流になってますけど、
ちゃんとオーブンでぎりぎりのロゼに仕上げた仔羊の旨さといったら!!

あ~そうそう。こういうのがね、フレンチの醍醐味なんだなと思うんですよ。
こういう料理が好きで、私はフレンチの世界に入ったんですよ。




そして最後は懐かしのワゴンデセール。
並んでいるのは、どれも「ど」クラシックなものばかりですが、これもまた驚くほど完成度が高い。

昔から作られ続けているものだからこそ、完成度の高さが大きな違いになるんです。
イル・フロッタントなんて、美味しく作ってる店のなんと少ないことか!



やっぱり、クラシックっていいなあと実感。

東京フレンチの流行とはかけ離れているのかもしれませんが、
私は、こういう料理が一番好きです(^^)v