いつもお世話になっている勝沼醸造さんに、主人と二人でお邪魔してきました。


Pour la Table Douce ~ワインのある食卓~

前回伺ったのが3年前。

その時も、有賀社長と志村さんからたっぷりと熱いお話を伺い、その数か月後、グラースにとって初となる日本ワインのメーカーズディナーをさせていただいたわけですが。


Pour la Table Douce ~ワインのある食卓~


今回はそれ以上に、彼らの熱い想いが伝わる感動的な訪問となりました。



Pour la Table Douce ~ワインのある食卓~


まずは、いつものテラスで有賀社長と再会。

やあやあどうもと登場するなり、いつもの有賀節が炸裂(笑)

テラスの暖かい日差しの中、あっという間に2時間近くは話し込んでいたでしょうか。


相変わらず我が道を行く甲州への熱い想い、世界を目指す独自路線・・・

会うたびに進化している「有賀理論」、時間を忘れて聞き入ってしまいました。


Pour la Table Douce ~ワインのある食卓~

尽きない話に後ろ髪をひかれつつ、次は前回お邪魔できなかった醸造所へ。


ここで、専務の裕剛さんに初めてお会いしました。

ブルゴーニュでの研修を終えて戻ったばかりとのこと。前回は渡仏中でお会いできなかったんですね。


いや~、社長の話にはいつも圧倒されますが、彼もまた父親に負けず劣らずの強者!

理想が高く前向きで、勝醸の甲州を、勝沼の甲州を、いや日本の甲州をこの手で変えていきたいっていう、逞しく強い意志を感じました。


Pour la Table Douce ~ワインのある食卓~

タンクや樽で眠っているワインたちを試飲させてもらいましたが、その味わいの違いは明確。

発酵の進み具合や樽の種類はもちろんのこと、樽の置いてある場所の微妙な温度の違いすら味わいに影響するから不思議です。


ただ、裕剛さんは「あえてどのタンクに何が入ってるか覚えないようにしてるんです。」と。

先入観なく味を見たほうがわかることってあるんですよ、と。


なるほどね。


栽培についても、かなり先進的な独自のポリシーを持つ裕剛さん。

グラースの理念とも一致する農業論が展開されたりして、そこでもまたひと盛り上がりしました。


その独自路線で挑戦してきた渾身のブドウが、今年ようやく実をつけたとか。

もったいなくて一口も食べることができなかったというほど、未来への想いがつまった甲州です。


2,3年後には、リリースできるぐらいまで収量を伸ばしたいと言っていたので、今から本当に楽しみ!

勝醸が、甲州市場でさらなる独自路線を突き進むことは間違いなさそうですね。



次は、どうしても訪れてみたくてお願いした「イセハラ」の畑へ。


Pour la Table Douce ~ワインのある食卓~

イセハラを初めて口にしたのはリリース直後だったと思うのですが、

とにかくものすごい衝撃だったのを覚えています。


それ以来、たくさんの日本ワインを飲んで、素晴らしいワインにもたくさん出会いましたが、

私の中でイセハラの持つ魅力が褪せることはありません。


ずっとずっと訪問したくて、ようやく訪れたイセハラの土地は、本当に石がごろごろと顔を出す、ちょっと独特な土壌でした。


Pour la Table Douce ~ワインのある食卓~


近くの川が氾濫するたびに土石流がこの地区に流れ込み、その積み重ねがこうした土壌を作ったとのこと。

食用ブドウはうまく育たず、周囲がみんな他の果物に植え替えてしまっている中、この畑を持つ風間さんは、「俺は甲州好きだから」という理由だけで栽培を続けていたそうです。


ある年、たまたま畑ごとに醸造をしてみたところ、風間さんの畑の甲州だけが特殊な香りを放つことがわかり、 一躍注目を集めるようになった…と。


「イセハラはテロワールだ」とみんなが口を揃える理由は、まさにこういうことなんですね。


Pour la Table Douce ~ワインのある食卓~


こんなにいいワインができるなら、どうして地区内でもっと甲州を栽培しないのか?と聞いたら、そうはいっても他の果物を作ったほうがずっと収益があがるから、あえてワイン用に甲州を植えてくれる農家さんはいないんだと言います。

風間さんも、いつまで作ってくれるかなあと。


もっと農家さんにいい条件を出してあげるためにも、もっとイセハラをしっかりとブランディングしていかなくちゃいけないんだ、という話もしていました。


うーん。。

それって値段が上がるってことよね…。かといって、イセハラがなくなってしまうのも困るし…。


ファンとしては複雑な心境でありましたが、これが日本におけるワイン造りの実情の一つなんですね。



そして、ちょっと遅めのランチはテイスティングを兼ねて「風」へ。


Pour la Table Douce ~ワインのある食卓~

志村さんもお付き合いくださったので、ここでもまたいろんな話を聞くことができました。


お料理に合わせていろいろとワインを飲ませていただいたのですが、すでに醸造所でもかなり飲んでいたので、私なんぞはほんとに口をつけるだけが精いっぱいで(;´∀`)


Pour la Table Douce ~ワインのある食卓~


小公子も初めていただきましたが、岩手や島根のものとはまた違う個性が面白かったです。



えーと。

本来ならここで訪問記は終わるんですが。


ノエル・ア・ラ・モードで一緒だったシャンパーニュの生産者たちもこの日に勝沼を訪問中だったので、会えるかなと連絡を取ってみたところ、ちょうど丸藤さんで試飲中とのこと。

急きょ、彼らのいる丸藤葡萄酒さんに立ち寄ることになりました。


Pour la Table Douce ~ワインのある食卓~

彼らにもう一度会いたいなーぐらいの気持ちで飛び入り参加させていただいたんですが、

これが実は、特別なお客様向けの個室でスパークリングなどトップレンジばかりが並ぶ本格的なもので…。


ま、よく考えたら、伊勢丹さんがシャンパーニュからわざわざ生産者を連れてきたらこうなるのは当たり前なんですけどね(^^;)


大村さんへの挨拶もそこそこに、「誰やこいつら?」的な空気を残しつつ、

棚ボタ的にちゃっかりとテイスティングをさせていただきました。

(もちろん、終了後にちゃんとご挨拶しましたよ!笑)


そして帰り際には、思いがけず『ミルプランタン』の五味さんと遭遇!

こちらもちゃっかりご挨拶をさせていただき、予想外の出会いに感謝感謝のひと時でありました。



他にも立ち寄りたいところがたくさんありましたが、今回はさすがにここで時間切れ☆

勝沼は自宅から近いので、またちょくちょく寄りたいと思います~^^