今朝の天声人語は、てんとう虫のお話でした。
益虫であるてんとう虫が遠くへ行ってしまわないように、
人間はついに飛ばないてんとう虫を作りだしたそうです。
飛ぶ力の弱いてんとう虫を交配させること約30代。
ついにトコトコ歩くてんとう虫ができあがったんだとか。
確かにこれなら、途中でどこかへ行ってしまうこともなく、
畑のアブラムシを確実に食いつくしてくれますよね~!
私も以前、お店の植え込みにアブラムシがついてしまった時、
頑張って実家からてんとう虫を探してきて植え込みに放したとたん、
さあ~っとどこかへ飛び立ってしまったという苦い経験があります
だから、てんとう虫に飛んでほしくない気持ちは本当によくわかります。
わかります、が!
どうしても違和感をぬぐえないのは私だけ?
農薬を減らすために天敵をつかうというのは、確かに自然の理にかなっています。
でも、その天敵が遺伝子操作で不自然に作り上げられたものだとしたら、どうなんだろう。
そりゃ、そのてんとう虫を使ったからと言って作られた野菜には何の害もないし、
飛ばないから生態系にも影響が少ないっていうし、代々住み込みで働いてくれる。
人間にとってはいいこと尽くめなんだろうけど…なんだかなあ…。
まあ、競走馬だってペット用の小型犬だって、品種改良の極みみたいなものですから、
いまさら何をというかもしれませんが。
人間って本当に傲慢だなあと、つくづく思います。
こうやってどんどん品種改良の技術があがってきたら、
そのうち自分たちの「品種改良」もしはじめるんじゃないでしょうかね。
跳躍力の高い人間だけの交配をひたすら続けて、
ついに飛べる人間ができあがりました!とか
でもきっと、自然はそんなに甘くない。
天声人語の〆の一言に苦笑いし、大いに納得したのでした。
「どんな生き物も、進化という自前の品種改良を重ね、しぶとく生き残ってきた。」
「恐ろしさを増した天敵に食われ続けるうちに、畑のアブラムシには羽が生えるかもしれない。」