平和

それはとてもいい言葉。

平和だと皆幸せだから。

だってそうでしょう?

お母さんもそうよと笑ってくれた。

だから僕は平和という言葉が一番好きだ

今僕たちの国は平和なんだって、一番偉い人が言っていた

じゃあ僕たちは今幸せなんだと嬉しくなった

家に帰ると隣の子が泣いていた

何処かいたいの?と聞くとそのこは首を振った

じゃあ、どうして泣いているの?平和なのに。

君は幸せじゃないの?と聞くとその子は幸せなもんかとさらに泣いた

僕は訳が分からなくなった。

平和なのに、なぜ幸せじゃないの?

その子は泣きながら言った

たくさんの友達や家族が死んだのになんで幸せでいられるんだと。

僕は口篭りながら平和だからというと、じゃあ平和とは何と聞かれた。

その子はそのまま泣きながら家に入ってしまった

僕はといえば、そのままそこに立ち尽くしているだけだった

部屋に戻って、おじいちゃんから譲ってもらった辞書を引いてみた。

そこには、平和とは戦争や争いがないことと記されていた

僕は何かが違うと思った

確かに平和はいいことだけど、幸せとは違う

僕の信じていた平和はうそっぱちだったんだ

だって、皆幸せじゃない

平和だったって、皆幸せなわけではないんだ

なんだか悲しくなって少し泣いた

誰も幸せになれやしないのに、すべての国が平和になることはとても難しい

すべての国が平和になったって、皆が幸せなわけじゃない

じゃあ、平和って何だ?