『デス・フロント』(Deathwatch) は2002年制作のイギリス映画。戦場が舞台のホラー映画。主演は『リトル・ダンサー』のジェイミー・ベル。監督はマイケル・J・バセットで初の長編映画。
【ストーリー】
1917年、第一次世界大戦真っ直中のヨーロッパ西部戦線。弱冠16歳のチャーリーはイギリス軍Y中隊の一員として度重なる激戦に耐えていた。やがて、Y中隊はドイツ軍の攻撃を逃れて敵の塹壕に辿り着く。そこはすでに戦闘を終え、無数の死体が散乱していた。一行はドイツ兵の生き残りを拘束して塹壕を占拠し、援軍の到着を待つことに。しかし、迷路のような塹壕に不安を募らせていく兵士たち。ほどなくして、その中の一人が何者かに殺される事件が起きる。ところが、捕り逃した敵兵がまだ隠れている気配はなく、彼らの恐怖は極限に達していく…。
【感想】★★★☆☆
★三つにしてみた。一風変わったホラー映画だと噂に聞いていたデス・フロントを観た。もともと私はハリウッド至上主義で他のスペインホラーなどには手を出してこなかった。しかし最近観た、『ドッグ・ソルジャー』によって考えは一変した。ドッグ・ソルジャーは全編にわたって冷めた雰囲気が漂っていて、ハリウッド映画とか一線を画していた。またそれでいながらも、最初から最後まで飽きさせない展開が見事だったのである。
よってイギリス映画に興味を持ち始めた。そして選んだのはこの『デス・フロント』だったのだ。確かにこの映画は飽きることなく最後まで観ることができた。。ほぼ全編降りだしている雨が危機感や不安感を煽り、緊迫した状況であることを意味させている。またこの映画を見て思い出したのは、やはりドッグ・ソルジャーだった。あの乾いた質感や、どこか冷たいイメージはイギリス映画の象徴なのかわからないが、やはり何かしらの関連性はありそうだ。
中盤からY中隊の仲間割れが始まったあたりから、どんどん物語は展開していき、最終的に生き残ったのはチャーリー・シェイクスピアだけだったのである。彼は善人だった。だからこそ序盤の毒ガスで死んでしまったY中隊の中で唯一魂だけ生き残ることができたのである。この展開は見事だった。最後の場面で彼がすでに死んでしまった同僚のイギリス兵と一緒になったあたりでは、私の頭は?だったが、最後の最後でようやくこの物語の意味がはっきりと理解することができた。
そして彼の魂だけが生き残り、永遠にまたさまようことになるのだと。。。これは救いなのだろう。単純に天国と地獄といった2原論の中で、天国に行けたという単純な論理だ。しかしはたしてこれでシェイクスピアは幸せだったのかと言われればわからない、なんとも言えないラストだった。