死亡保険の受取人をどうするか
元妻にはもちろん渡したくない
裏切った息子にも渡したくない
中立の娘も信用できなくなってきている
私が死んだらおそらく母親が家族葬くらいはするだろう
その葬式代は残したい
とりあえず母親に変更しよう
10年くらい前に当時の職場の古株たちを無視して私を次期社長にと強引に引き上げた社長が脳梗塞で倒れ、そのまま引退した
古株の逆襲が始まり最下層まで落とされた私は仕事をやめると元妻に告げた
内容は覚えていないが批判された記憶
そもそも元妻は給料を稼いでくる私に感謝の気持ちはない
本人は安易に水商売を選び、注意してもまた選ぶため一般的な社会人経験がなく扶養範囲の半分稼げればいいほうという程度
さらにその程度の稼ぎで最低でも隔週で飲みに行く
妻としてのフォローを何一つしないどころか、同居問題を自らこじらせるやつに文句を言われキレた私はTシャツパンツのまま家を飛び出した
目的地は樹海
特に決めていたわけじゃないが思いついたんだろう
途中で仲の良かった先輩に「明日から会社いかない」とだけ伝え記憶のないまま西へ向かった
財布もなく下道で向かったためかなり時間がかかる
途中の山道で車が止められ、すぐ崖があるところをみつけたためそこで飛び降りようと思った
崖に腰掛け、さあいくかと思ったとき、夢の中にいる感覚になった
まだ幼かった娘が半紙にひたすら3か月で死んでしまった息子の名前を書き、それが私の頭上からぱらぱらと降ってくるシーンをみた
娘のために死ぬわけにはいかない
死んだ息子のために死ぬわけにはいかない
この辺の記憶もあいまいだが、気づけばさらに西へ進んだあたりで朝を迎えていた
その後は1日2日後に家に帰るわけだが、そこでも元妻に責めの言葉を浴びせられた記憶だ
しかしそこからは元妻はどうでもよく、ただ子供のためだけにがんばろうと生きた
言葉がわからない国へひとりで海外出張や鹿児島に2か月滞在なども難なくこなした
その間もことあるごとに元妻が姑問題を起こすが子供のことだけを考えた
あれから10年
今の過労死レベルの仕事も子供のためにがんばっていた
しかし息子の寝返りで心が折れた
娘も中立ではあるものの、味方をしてくれないんだという気持ちのほうが強い
娘も息子もあれほどまで元妻を嫌っていたはずなんだが
いったんは今後の人生は娘のフォローだけはしつつ自分の人生を楽しもうと考えていたが、よくよく考えたらこの先生きる意味もないことに気づいた
自己満足のために辛い思いもしながらこの将来悪化しか見えない日本で生きる意味があるのかと
海外移住も考えたがそこまでして生きる意味があるのかと
元妻はもちろん、息子には愛情どころか憎しみしかない
今日も遠足かなんかの写真を元妻から渡されたが吐き気がしてすぐに返した
元妻と息子にはなんかしら背負わせてやりたい気持ちでいっぱいだ
息子はまだ小学生だが、おとなになったときに「クソオヤジのせいで」と言わせたい
娘の進路が決まるまであと4か月程度
それまでブラック企業で働きつつ会社にも爪痕を残してやろう
目標は定まった
それまで借金でもしながらやりたいことをやっておこう