色彩
DIRの音楽は、一貫してネガティヴだ。
客観的に評価すれば、なんのおもしろみも、成長もない音楽かもしれない。音楽に「共感」とか「ポジティブ」を求める人からみたら、こんなに逆をいくバンドを否定的に捉えているだろう。
新曲のプロモーションの姿勢やライブにおいても、固定層向けとしか言いようがないスタイル。
新規層がなかなか開拓されていかない。
海外進出もそうだ。世界で成功しているとはいえ、その規模はあくまでも「今まで進出していった日本人」に比べてだ。そしてそれはライブや音楽においての話で、プロとして最重要の目安である記録に関して、成功しているとは言い難い。
結局、アメリカでは知名度的にも報道的にも、「B'Z」の方が上。
ヨーロッパではロックの分野ではともかく、やはり、RYUICHI SAKAMOTOやTAKKYU ISHINOなどの日本でも有名な電子音系アーティストが有名。ほか、日本での知名度は先の2名に比べて落ちるけど、YOJI、SATOSHI TOMIIEなどもヨーロッパでは有名。
DIR EN GREYがそこに並んでいるとは言い難い。
それでも、私は言える。DIRの音楽は世界に並んでいると。
この先も、変わらず、DIRの音楽をすきだといえると。
だから、基準がここにある。
飲んでいてすきな音楽の話になると、だいたい
相手が思うよりも内実にDEEPな音楽観があるので、基本的には無難なミーハー系でごまかす。
そして、さらに関係を深めようとする人には、そのDEEPさをちらっと見せる。
その入口が「DIR」だったり、「クラブ系」だったりして、たとえばDIRの話をしてみて
「ああ、V系でしょ」
って、わかってるような顔で一言で締めようとする人とは、二度と一緒に飲まない。
「ハードロックだよー」て説明するときもあるけど、そこで
「はいはい…」
みたいな態度が見えたら、そこでshut out。
音楽のリズムに共感できないと、わかりあえる恋愛なんてない。
こどものころ、塩にまみれたスラッグを見たことがある。辺り一面、真っ白い塩に囲まれて、それでもスラッグは這うことしかできない。
身体に痛点がないとはいえ、這えば這うほど身が消えていく感覚はどういう気持ちなんだろう・・・
曲を聴いて、そういう記憶を抽出させるDIRの音楽。
感情。色彩。匂い。それが全て音で表現されている。
記憶を司る神経に訴える、懐かしさともいえるような、音に、霞んでいた憧憬が包まれていくような…
それが「救い」という光なのかもしれない…
贖えば空を巡る、色彩を求めて・・・
そして・・・とけてゆく。。。