「ひとのつま」５

４月8日夕方。

新人指導初日も終わり、今日は残業もなく定時で退社

自分の荷物を持ち、社員用の自転車置き場へむかう

今日は、彼女の望に会いに行かなければならない
なぜか憂鬱だ
なにやら、久しぶりに夕御飯を作ってくれたらしく、またそれが憂鬱に拍車をかけた

自転車置き場へつき鍵を外していると、後ろから肩を叩かれた

振り返るとそこには、さっきまで髪を下ろし局員スタイルになっていた久美が立っていた。
だが今は、髪をアップにし、昔で言うポニーテールになっていた

「ひとのつま」４

４月8日午後２時15分

俺は、新人２人の指導係となり、局内を案内していた

新人は２人とも女性
１人は、今回の新人女性の中で一番人気の大里久美芸能人で例えるならば、髪の長かったころの長澤まさみのような、笑顔が素敵なかわいらしい女性。もちろん、スタイルの良さは制服姿からでも良く分かる。
髪は肩まであり、その髪を耳にかけたとき見える首筋は、白くキメの細かい肌で妙にうまそうに見えた。
そしてもう１人は、こっちも人気を二分する白畑れい。こっちは芸能人に例えると、佐々木希のような綺麗なモデルのような女性
制服のスカートから見える足は、たまらなくキレイで、目が釘付けになるほどだ

そんな２人をつれ、廊下を歩いていると、向かえから同じく新人指導している同期の厚がやってきた
厚は男の新人２人をつれて、つまらなそうに歩く

すれ違いざまに俺の耳もとで…
「ずりーぞ」
そう吐き捨てて、先を急いだ

「ひとのつま」3

４月8日昼

午前中の業務終了

同期の高橋厚と昼休憩に外へ出た。
いつもの近くの食堂でランチ

席についたとたん…
「今年の新人はどうよ」
と厚が俺に聞く。

「う～ん」
返事に困っていると厚が…
「今年は女性陣綺麗どころがそろってね～かぁ」

「う、うん」

確かにその通りだった。
民営化になったとはいえ、今だにお役所体質は変わらずで、そのせいか新人は生真面目な人が多かった。

だが今年は違った
男も女も、顔もスタイルも今まで見たことがないくらいいい子達ばかり

あまり女性に興味がない俺にしては、だいぶ珍しく心がウキウキしていた