ハマる黎明期
80年代にヒットチャートを追いかけていると、HR/HM(ハードロック/ヘヴィメタル)ジャンルの楽曲がそこに登場してくることは、ごく普通の現象でした。なので、最初は一般的なロック/ポップスと区別することなく、そういう楽曲を聴いていました。当然、ヒットするようなHR/HMですから、曲としてもキャッチーなものだったりバラードだったりするわけで、ある意味ポップミュージックとして馴染んでいたわけです。
そんな感じで、シングルとしての楽曲を聴くとアルバムにも食指が伸びていく方向に。さすがにアルバムとなると、ポップなものばかりではなく、ハードな楽曲も含まれています。ハードなといっても、まあVan Halen、Night Ranger、Rainbow、Michael Schenker Groupとかなんで、適度にハードだけど、決してヘヴィではないものでしたが。
ただ、そこで違和感を覚えることなくハードな楽曲にも馴染むことができたんです。これは何故だろうと言われても、自分でもよくわからないんですが、少なくともHR/HMってイイんじゃない、と感じることができました。ちなみに友人たちの中には「HR/HMはちょっと無理だな」と避ける者も少なくなかったので、HR/HMというのは好き嫌いがハッキリと分かれやすいジャンルなんだな、という認識に。こういった感じが、HR/HMという音楽への関心が高まっていった黎明期の感覚で、1984年から1985年頃のことになります。
この頃聴いていたのは、先に挙げた4アーティスト以外では、Def Leppard、Gary Moore、Bon Jovi、Yngwie Malmsteen、Dokken、Ratt、Mötley Crüe、Scorpions といったところで、まだHMではなくHRという傾向でしたね。
爆発的にハマる
クラス替えで出会ったU君は洋楽好きで、かつHR/HMも好むナイスガイでした。自分もHR/HM好きだが、まだメタルって感じのものは聴いてないんだと告げると、「じゃあ、まずこれでも聴いてくれ」と渡されたのが、Judas Priestのレコード2枚、”Screaming for Vengeance (復讐の叫び)” と “Defenders of the Faith (背徳の掟)” でした。彼はレコードも買うくらいのJudas Priest推しだったんですね。
タイトルからして文字通りの背徳感を感じながら針を落としました。こういう時に私は律儀に古いほうから順番に聴いていく傾向があるので、まずは「背徳」ではなく”Screaming for Vengeance (復讐の叫び)” のほうだったんですが。
秒殺! 秒でハマりました。イントロにあたる"The Hellion”だけで「これはイイ!」となりました。その日から、好みのレパートリーにHMも加わって、文字通りのHR/HM好きへと突き進んでいったのです。これが1985年か86年の出来事でした。
『BURRN!』誌に目を通すようになったのも同時期以降のことだったでしょうか。巻末のディスクレビューを片っ端からチェックしては、少しずつ音源を増やしていきました。最初は80点以上の作品とか言ってたんですが、だんだんラインが下がり、30点とかでも「聴いてみてぇ」と思うようになり典型的なHR/HM中毒症状となっていました。
その後、厄介なことに、なぜかマニアックなHR/HMの輸入盤をレンタルしている、小さなレンタルレコード店を見つけてしまい、そこに出入りするようにもなりました。Fifth Angelの1stとかそこでレンタルした記憶がありますね。
スラッシュ感染
記憶が不確かなんですが、1986年だったか、あるいは87年の初頭くらいのことかもしれません。FM放送でスラッシュメタルを集中的に流す番組があったんですね。そこで流れたのは、Metallica、Anthrax、Megadeth、Slayerといった有名バンドだったんですが、それを聴いてしまったが最後、すぐにスラッシュメタルに感染してしまいまして、さらにHR/HMの闇深い沼にハマっていくのでした。最初に買ったスラッシュメタルは、Anthraxの”Spreading The Disease (狂気のスラッシュ感染)”でした。
先ほど挙げたスラッシュ四天王の他に、ジャーマンスラッシュ三羽烏のDestruction、Kreator、Sodomはもちろん、諸々のB級スラッシュまで聴き漁っていく日々でした。Judas Priestを貸してくれたU君もスラッシュに感染しましたので、MegadethとMortal SinとDeath Angelは彼から貸してもらった記憶があります。
もちろん、スラッシュ以外のメタルも手を休めることなく聴いておりました。
NWOBHMから上流へ
HR/HMにハマると、どうしても伊藤政則氏の文章が目につくようになりますが、そこで頻繁に出てくるのがNWOBHMという存在であり、さらにそれ以前の70年代HRですね。当然、それらも聴くようになっていきました。ここまでくると、もう聴くほうが追いつかなくなるといいますか、ほんの数回、中には1回しか聴いてないアルバムが異様に増えたりもしました。
90年代に入る頃を境に
90年代、ロックミュージックを巡る状況は一変しました。いわゆるグランジ/オルタナティヴの時代になっていきます。私自身も90年代に入る少し前からですが、HR/HMへの入れ込み具合とは別に、そんなベクトルを異にした音楽に少しずつ目が向くようになっていました。
象徴的なNirvanaのライヴを体験したのが1992年ですので、それを踏まえ1992年頃までが私のHR/HM感染期としたいと思います。実際はそれ以降も、一部のアーティストは聴き続けてはいましたが。ただ、90年代以降にデビューしてきたHR/HMアーティストのことはかなり疎いです。
そして同じ頃、HR/HMだけで1,000枚くらいは持っていたであろうレコードとCDは、ほぼ全部売却しました。
例外として
90年代以降の一時期、ドゥーム/ストーナー系を聴く時期がありました。Electric Wizard、Cathedral、Melvins、Kyuss、Queens of the Stone Age、Sleep、Sunn O)))、Earth、Fu Manchuとかですね。ざっくりとBlack Sabbathの影響を感じさせる系統になります。まあ、でもドゥーム/ストーナー系というのはHR/HMの中でも異端というか、より一層好みを分けるサブジャンルになりますが。
もう一つ例外的といえば、2002年にDream Theaterのライヴを観に行ってます。もっとも彼らについては、HR/HMとは別にプログレ的な視点もあったので、むしろそういう関心が強かったのだと思います。
今、HR/HMを聴いているか
現在、私にとってHR/HMは聴く対象としてはメインから外れています。でもなぜか、半年に1回くらい聴きたくなる時期があるんですよね(笑) そういう時は集中的に聴きまくりますね。
余談
35年くらい前、伊藤政則氏の番組「POWER ROCK TODAY (BAYFM)」で投稿が読まれたことがあり、彼と酒井康氏の両名に机をバンバン叩きながら喜んでいただいたのが良い思い出です(笑)
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