[ニューヨーク 9日 ロイター] 9日の米国株式市場は大幅続落。主要株価指数は
軒並み2%を超える値下がりとなった。欧州中央銀行(ECB)が進める国債買い入れに
抗議する形でシュタルク専務理事は辞任を表明したとみられ、欧州債務問題に対する市場
の不安が強まった。
株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラテ
ィリティー・インデックス(VIX指数)は急上昇。12.24%高の38.52
となった。一時40ポイント台に乗せる場面もみられた。
シュタルク専務理事の辞任について、TEAMアセット・ストラテジー・ファンド(ペ
ンシルベニア州)のポートフォリオマネジャー、ジェームズ・デイリー氏は、「ECB幹
部の間で不満が高まっていることを示している」と指摘。さらに欧州債務問題は銀行シス
テムにおける重大な支払い能力の問題という認識が徐々に広まっていると述べた。
オバマ大統領が前日夜に発表した4470億ドルの雇用対策について、市場では、政権
に本当に景気を浮揚させることができるか確信が持てないとの声が聞かれた。
また提案のなかに、本国送金法(HIA)が盛り込まれなかったことから、一部大手企
業株が売られたという。
(ロイターより)
欧州中央銀行(ECB)の国債買い入れの危険性
ECBはギリシャ、アイルランド、ポルトガルの国債を購入し、問題銀行から融資の担保として受け入れることにより、既にリスクを抱えている。
スペインとイタリアの国債市場の規模からすると、ECBが影響を及ぼすには数千億ユーロ相当の両国国債買い入れが必要になりかねないと試算するエコノミストもいる。
ロンドンを拠点とするシンクタンクのオープン・ヨーロッパは最近の調査で、ECBが追加的なリスクへの対応を誤る可能性を示唆。ECBはギリシャに対するエクスポージャーが大きいことなどから、保有する資産の価値が4.25%下がっただけで「資本がすべて吹き飛ぶ」としている。
スペインとイタリアは、他のリスク国に比べずっと安全な投資先であり、ECBが保有先に追加した場合でもバランスシートの保護になるとみられる。
ECBに損失が出るのは、融資先の銀行が破綻し、その銀行から担保として受け入れていた資産の価値が下がるという、2つのことが起きたときだ。
このことは先月、ギリシャに対する追加救済で民間部門を関与させる計画について、同国国債が選択的デフォルトとみなされる公算が大きいことが明らかになったときにリスクとして浮上した。ECBは、デフォルトしたギリシャ国債を担保として保持しなくてはならない場合にユーロ加盟国政府がECBに対する保証を提供すると強調することで、ギリシャ、そして自らのバランスシートを保護した。
ユーロ加盟国政府がECBの財政を守る最も簡単な方法は、欧州の救済基金が流通市場で国債を購入する計画を早急に承認することだ。
それにより、ECBは国債買い入れビジネスから脱却でき、リスクはユーロ加盟国政府のバランスシートに移行する。
(WSJより)
まず、言いたいのはシュタルク専務理事の辞任について 現在の世界経済の状況と自分の立場、与える影響を考慮してから身の振り方を再考して欲しかった・・・
米市場はECB専務理事が辞任しただけで大きく値を下げた
辞任の理由、今後のECB内への影響を考えた結果なのかもしれないが国債買い入れプログラムは現在の救済措置としては間違っていないだろうし他にEU各国を仲介する上でもやむを得ない
来週月曜の国内市場は一時的に下がるかもしれないが、徐々に値を取り戻してくるのではないでしょうか
大統領の提案に本国送金法(HIA)が盛り込まれなかったとしても見落としていたわけでもないだろうし議論で本国送金法(HIA)の方向性を詰めるつもりがあったとしたら言及しない方が無難である