調査対象は全国10代~50代以上の携帯電話(スマートフォンを含む)ユーザー1,078人。男女比は男性58.5%、女性41.5%。年代比は10代0.5%、20代11.6%、30代22.4%、40代32.6%、50代以上33.0%。
まず、電子マネーの利用率を確認する。「あなたは電子マネーを使っていますか」という質問に対し、「使っている」人は66.6%(前回64.3%)、「使ったことがない」人は25.5%(同24.5%)、「以前は使っていたが、今は使っていない」人は7.9%(同11.2%)。利用者が増えるようすは見られず、ほかの質問で調べた「使う理由」「使わない理由」にも目立った変化はない。
普及が頭打ちに見える電子マネーだが、首都圏では今春から利用者が急増するかもしれない。というのも、2014年4月の消費税増税にともなって首都圏の鉄道各社が電子マネー利用者の運賃を1円単位に変更し、電子マネーで決済した方が現金より安く済む乗車区間が生じるからだ。
そこで、電子マネー非利用者360人(全体の33.4%)に「電子マネーの方が現金より安く乗車できる区間ができます。こうした理由から、電子マネーを使おうと思いますか」と尋ねたところ、「使いたい」人は45.8%、「使わない」人は54.2%となった。
消費税の増税で電子マネー利用者は増えるか?―定期モバイル調査「電子マネー」(4)
次に、「使わない」と答えた195人に理由を一つだけ選んでもらった。最も多かったのは「鉄道を利用しないので関係ない」(53.8%)で、鉄道網が張り巡らされていない地域ではもっともな理由といえる。しかし、続いて29.2%という相当数が「そもそも電子マネーを使いたくない」を選んだことは注目に値する。
Q:鉄道運賃が1円単位に改訂になっても、電子マネーを使わない理由 (2014/2/10~2/12 10代~50代以上の携帯電話ユーザー1078人中、 電子マネー利用を希望しない195人)
この理由を挙げた人は、電子マネーの利便性とマイナス要素を天秤にかけて「使いたくない」と考えているので、マイナス要素を分析し、障害を取り除くことが電子マネー普及につながるだろう。
(調査協力:NTTコム リサーチ)
◆参考記事:
強い交通系とスーパー系、消費税増税にともなう鉄道運賃1円刻み化は影響するか?―定期モバイル調査「電子マネー」(3)
鉄道/駅/スーパー/コンビニが電子マネー普及に貢献―定期モバイル調査「電子マネー」(2)
調査協力:NTTコム リサーチ