この記事を拝読して、思い出したことがある。
教育大の学生だった時代。
小学校の教育実習に行く前の晩…
私は、行きつけのカフェのカウンターで、1人でぼーっとしていた。
(普通は、そんな日にカフェでぼーっとしないw)
そうしたら、当時、うちの大学に発達心理学の授業を担当しに来てくださっていた、ある外部の先生が、お店に入ってきた。
後からマスターに聞くと先生もたまに来てらしたそうだが、お店での遭遇は初めてだった。
ちなみに先生の授業は「口や歯からみる発達」というマニアックなテーマで、めちゃくちゃ面白かった!(大学時代に私の受けた授業の中では1,2を争う!)
そんな大好きな先生でした。
その日は、おそらくお仕事関係の方とご一緒だったけれど、混んでいたのでカウンターしか空きがなく、たまたま私の隣に座られることになって。
先生は、私には気づいていなかった。
私も授業を受けている大勢の中の一人でしかないので
「向こうはワタシの事なんて覚えていないだろう」
「お仕事の邪魔になりそうだし」
そう思い、声をかけずにいた。
そうしたら…だいぶ経った時。
突然、先生がこちらに振り返って
「君は、どんな先生になりたいの?」
と、私に言った。
Σ(゚Д゚)
あっけにとられた私。
予想外に「覚えられちゃっていた」ということと、
一言で説明しづらい難問がいきなり降りかかってきたことに動転…
とっさにひねり出した答えは…
私 「ぼーっとしている先生になりたいです」
先生 「…え?」 (失笑)
私 「…」 Σ( ̄ロ ̄lll)
尊敬している先生に、全く意味の伝わらないことを言ってしまった後悔と
「あの時、何と言えば良かったんだろう」ということを考えてしまう…
そんなちょっと苦い思い出(笑)
「ぼーっとしている先生」という表現は、
あまりにも伝わらなさ過ぎるので、
せめて今なら
「ぼーっとしているようにみえる先生」
という表現にする(笑)
まぁ、それでもほとんどの人の頭に「?」がつきそうだけれど…
なぜそんな妙な答えを言ったかというと、
まず、
「私はそもそも先生になりたい訳ではない」
というのが一点大前提としてあったのと(笑)、
仮に仮に、先生という立場になったとしても。
眼光鋭く子どもの行動を監視して
「あれしなさい」「これしなさい」
と、偉そうに子どもに指示を出す先生にだけは、なりたくなかった。
「教える」先生に、なりたくなかった。
いかに「教えないか」
いかに「子ども本人が学ぶか」
いかに「邪魔しないか」
それが、教育で一番大事なことだと、思っていた。
考えるきっかけは出す事があっても、「答えを教える」という事はしない。
子どもを誘導したり、コントロールしない。
のほほんとして、穏やかで、でも芯がある。
自然体。
口や手を出さず、ただ受け止める。
見ていないようで、見ている。
(そこが、「ぼーっとしている」の真意…伝わらなかったけどw)
自分や常識を常に疑い、
子どもを対等な人間として尊敬して、子どもから学ぶ人。
そういう先生が頭の中にあって。
中学に入ってから特に
「とにかく教えるだけ教える先生」というか
「ただ教科書を読み上げるだけで、もはや教えるにも足りてない先生」
にたくさん出会ってきて、
「大人が一方的に教える」ということが、
どれだけ本人の学ぶ意思を削ぎ、
学びのチャンスを奪うか…
ということを、実感して、疑問を持ち続けてきた私にとって、
大学時代に一つの結論として出た理想が
「教えない先生」でした。
…やっぱり、先生にならなかったけどね(笑)
その後教育実習に行った時は、
まず全校集会での子どもの軍隊のような扱われ方にゾッとして、
それを露ほども疑問にも思わずやっているであろう先生達にゾッとして…
この中に「私が入ってしまったら」と思うとさらにゾッとした。
実習は毎日睡眠2,3時間でも最後までやり遂げたけど、
子どもにやらせたくないことをさせなきゃいけなかったり、
「おかしい」
「この作業は何のためにあるの?」
「センセイのためであって、子どものためじゃないよね」
そんな風に思う事が、たくさんあり過ぎて。
イチイチ立ち止まって考えてしまう私には、
他人や学校の仕組みと流れ作業に「合わせなきゃいけない」というプレッシャーはハンパではなく、心にすごい負荷がかかりました。
だから、終わってからしばらくは抑うつ状態というか…
眠りこけました。
いかに私の適性として、日本の公立校の教員が不向きであるか(笑)
体が教えてくれました。
他の人にはできるかもしれないし、やりたい人がやってくれればいい。
でも私のいるべき所は、決してここではない。
それに気づかせてくれた素直な体には、感謝です。
その時代に、自分の中でつかんだ理想や信念。
十数年経った今も、変わっていないなぁと思います。
ひすいさんのブログを読んで、そのことを書きたくなりました。
そして先日、ずっと読みたいと思っていたこの本を、やっと、読みました。
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その中に「教育の神様」と言われる「ハラ先生」という方が出てくるのだけれど、まさに、私の考えていた姿がそこにあって、涙が出たのでした。
(映画「みんなの学校」、おすすめです♪お近くで自主上映会があったらぜひ行ってね。)
でもね。
あんなに「先生にだけはなりたくない」と思っていた私なのに、
何の因果か、今、講座をするようになって…
ありがたくも口コミで色々ご紹介頂いて、お会いした方から
「ウラでは『武山先生』と呼ばれてますよ!」
と教えて頂き、苦笑いするのでありました…( ̄▽ ̄;)
そんな武山センセイのお話会…(笑)
次は12日、大野田コミュニティセンターです。
まだ入れるようなので、ご興味ある方はこちらのブログへどうぞ♪
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