日記書くネタがないし、思ったよりそれっぽく書けたので、授業の課題で出た「童話作り」アップップー。長いぜよ。
「月のくま」
あるところに、くまが住んでいました。どこにでもいる普通のくまで、仲間と一緒に楽しく暮らしていました。他の仲間と違ったのは、空を眺める時間がちょっと多かったことぐらいでした。一日の終わりにはいつも、夜空の星を眺めていました。
ある日の夜、いつものように空を見上げたとき、月を見てくまはふと思いました。「ここから見てもあんなにきれいなのに、近くに行ったらいったいどれだけきれいなんだろう」
そう思ってから動き出すまではあっという間でした。仲間と遊ぶ時間もおしんで、月に届くような長い階段を一人で作り始めたのです。別に仲間と過ごす、のんびりとした時間が嫌なわけではありませんでした。とても心地よい時間で、おそらく死ぬまで穏やかな暮らしを続けることができる仲間と場所でしたが、それよりもずっと、月に近づくことのほうがくまにとっては魅力的だったのです。
くる日もくる日も、くまは階段を作り続けました。高い山を追い越し、鳥も飛べない高さまで届いたとき、くまは自分が軽くなってきていることに気がつきました。くまの住んでいた星さえも、くまを縛れない高さまで来ていたのです。いつしかくまは宙に浮いて、星の海を泳いでいました。
「もう少しであの月に届く!」休む暇もなく、くまは泳ぎ続けました。
長い時間がたち、くまの体は月に引き寄せられていきました。
ついにくまは憧れていた月に着いたのです。けれども、くまはうかない顔をしています。近くで見た月は、遠くから見たキラキラした月と同じとは思えない、岩だらけの何も無い場所でした。岩に腰掛けひとしきり休んだ後、くまは何も言わずに階段を作り始めました。
再び長い階段が伸びていき、月が自分を縛ることがなくなって、くまはまた星の海を泳いでいきました。よくよく見ると、地面から見るよりずっとたくさんの星が見えました。また、外から眺めた自分が住んでいた星も、とてもきれいに感じました。
ため息をつきながらふと周りを見回してみると、すぐそばにもう一つ星があることにくまは気がつきました。別に特別きれいな星には見えなかったのですが、くまはその星にもおりてみることにしました。
新しい星に着いたくまは驚きました。その星はとても豊かな星で、月はもちろんのこと、元々住んでいた星でさえかすんでしまうくらいでした。
くまは喜んで、新しい星に住むことに決めました。りっぱではないけど、暮らしていくには十分な家を建て、おいしい食べ物をたくさんたくわえました。
新しい星での生活に慣れてきた頃、くまは故郷の仲間を思い出しました。みんな気のいい仲間たちで、月への階段を作り始めたときも心から応援してくれていた仲間です。
くまは三回目の階段作りを始めました。この素晴らしい星にみんなを誘うためです。
長い時間をかけて階段はできあがり、くまは故郷の星に帰ってきました。少し年をとった仲間たちは、まるで昨日別れたばかりのように、変わらずくまを迎えてくれました。くまは今までの旅の話を伝えると、新しい星に来ないかとみんなを誘いました。行きたい者は、次の日の朝階段の前に集まるように伝え、仲間と別れました。
その日の夜に見た月は、心なしか今まで見てきた中でも一番きれいに見えました。
朝目を覚ましたくまは、どきどきしながら階段の前に行きました。そこには、話をしたうちの半分ほどの仲間が来ていました。嬉しくて飛び上がりそうになりながら、くまは先頭にたって階段を登っていきました。
それからまた長い時間が立ちました。くまは相変わらず空を眺めるのが好きで、故郷の星にいたときより少しだけ近くに見えるようになった月を、飽きもせずに見ています。くまが作った階段は今ではとても立派なものになり、故郷の星と新しい星をつなぐ大事な架け橋になっていました。
