御幸vs成宮。御幸の予想通り、成宮はチェンジアップを投げた。これは打つチャンス。

 

 

この漫画のチェンジアップの描き方、良い。ボールにハエが止まりそう。

 

御幸はこの球を打つイメージトレーニングをずっとやってきた。胸を開かず、身体の正面で打つ。

 

今回のチェンジアップ、いつも以上に低く沈んだ。御幸はボールを下からすくい上げた。

 

バットの先で打ったので打球に力はないが、いい所へ飛んで行く。 

たぶん御幸は、守備の位置を見て、外野と内野の間に大きく開いた場所を狙って打った、のだと思う。

ライトの早乙女は目一杯下がっていた。一方セカンドの江崎は前進守備だった。その間が広く開いていた。ボールはそこをめがけて飛んだ。走り寄る2人。ボールは2人の間に落ちた。

 

 

その瞬間、三塁ランナー、倉持が、チーターのごとくホームに向けて走り出した。

早乙女のホーム返球は間に合わない。青道同点!拍手

 

さすが4番。スーパーマン御幸。打たなきゃいけない時に打つ。プロ野球球団からドラフトされるはず。

 

 

自宅でテレビ観戦の御幸パパ、両手ガッツポーズ。青道入学前の息子の言葉を思い出す。

「(青道に)一番最初に誘われてたのもあるけど。調べたら、設備も整ってるし、グラウンドも広いんだ。だから、ちゃんと考えて青道を選んでるんだよ。・・・寮だからさ、父ちゃん1人にしてしまうけど・・ショボーン

 

御幸は父子家庭。中学3年生にして、父親を気遣う。

その年齢で、進学先の高校を、自分でこれだけしっかり調べた。天才だ〜。

 

 

試合に戻ります。

打った御幸が凄すぎて、あ然とする降谷。

決勝前の御幸との会話を思い出す。

御幸「めちゃくちゃあるぜ、プロへの願望。野球で飯食えるようになって、これまで好きに野球やらせてくれた親父に恩返しをしたいんだ」

 

目標が明確だからこそ、御幸はこれほど強いんだ。

降谷もそう思ったかな。

これまで降谷はポヨよ~ん魂が抜けると、あまり何も考えてなさそうだった。この夏が終われば、野球部を率いるのは彼ら2年生。この夏、降谷には既に少し変化が見られた。転機の夏になるのかな。

 

降谷の少し口を開けたポヨよ〜ん顔。相手は安心感を得て、つい本心を話してしまいそうだよね。

何でも受け止めてくれる、なんていう懐の深さではないけど、何でも「あ、そう」で済ませてくれそう。そういう降谷らしい話しやすさがあって(パシリも頼みやすい)、御幸にとっては1年生の頃からスカウトに注目されているという共通点もあるから、御幸はついプロ願望という本心を話してしまったのかなあ。

 

 

沢村はブルペンで奥村とハイタッチ。沢村の手は奥村より大きくて、指が長ーい。投手向き。

 

 

打たれた成宮。気丈にふるまう。

前話で、成宮は新たに強く覚悟を決めたばかり。自分が頑張ることで、稲実を勝たせるって。

多田野に向かって、

「あんなボール球打たれたら、しゃーない。切り替えるぞ」。

そして「むしろ俺は悪くない」と開き直った(エライ!)。

多田野は、「はい!それでいいんです。切り替えましょう!」

と言いつつ、心の中では「絶対の自信を持つチェンジアップを外野に運ばれた。大丈夫なわけがない」

 

多田野の「旦那を手のひらの上で転がす」有能女房の顔が見えた。

 

成宮は表面上、大丈夫そうに振舞っていても、悔しくて、歯を食いしばる。

 

御幸は、ここでも非情に「終わらせねーよ・・」

青道に回ってきた勢いで、成宮を圧倒するつもり。

まだワンアウト。

 

 

次の打席は5番前園。青道の堂々たる、打点王筋肉。上昇気流に乗る、とっても危ない奴。

もう1点を自分が獲るつもり。打つ構えをしていたのが、さっとバントの構えに切り替えた。セーフティスクイズを狙って。

 

ああ~、こうなってくると、一枚岩の青道の方が稲実より強いんじゃないかな。

青道の9人で、1人の成宮を倒そうとしている。

 

今の成宮は、孤軍奮闘している状態。

もちろん、他の稲実選手も野球が上手く、やる気も十分ある。だけど、成宮を精神的にバックアップしているかというと、心もとない…。腫れ物に触るような扱いをしている。この決勝でも。

 

多田野は・・・懸命にやっているんだけど・・・ど〜うも、成宮とかみ合っていない。今までも書いてきたように、多田野と成宮の間はギクシャクしている。成宮は世代最高ピッチャー。1年前、多田野の技術は全然足りず、成宮の信頼を得られなかった。今や多田野は技術的に優れた捕手になっている(青道の渡辺の評価によると)…なのに成宮のモラハラは相変わらず続いている。

成宮は、どこまで多田野をパートナーとして信頼しているのか。

 

 成宮が頼りたかった御幸は、もうすっかり青道ファミリーの人。成宮も、無い物ねだりはせず、自分が手に入れられなかった御幸のことは忘れて、自分のすぐ側にいる人を大切に。これが高校最後の試合かもしれず、明日は引退、かもしれないけれど、今からでも。

 

ひとつ多田野を見ていて救われるのは、彼が成宮の「孤独」を理解しているようであること。「僕が鳴さんを孤独にさせない。」

そして、多田野もまたこのチームで孤独感を抱いているはず。成宮のモラハラをみんな見て見ぬふりなんだから。多田野だって、できれば成宮と、もっと普通の関係を結びたいだろう。

孤独な者同士。

 

 

次回ブログでは、稲実キャプテン福井を、容赦なくぶった斬ります。大人げなくもグラサン