「ダイヤのA」作者の寺嶋裕二先生からのメッセージが、
コミックス32巻のあとがきにあった。
「あと2冊で作品はいったん終了する予定です」
沢村たちの物語はその後、続編で読めるのかもしれないし、読めないのかもしれない。
2006年の連載開始から16年。
先生は休みなく全力で走り続け、
このまま同じように描き続けるわけにはいかなくなったのだろう。
プロ野球の試合を観に行くこともできなかったなんて。
寺嶋先生は、漫画家を辞めたわけではないようです。
ネットの情報によると先生は48歳。
まだ若い。
寺嶋先生、
ゆっくり、たっぷり、エネルギーを再チャージしてください。
週間連載はきつそう。
読む方だって毎週は大変だ。
この漫画、濃密だから。
寺嶋裕二先生は観客も描いていると、どこかで読んだ。
観客一人一人、顔や体型や髪型が違い、年齢もさまざま。みんな個性的で表情や手振り身振りが豊か。彼らの興奮が伝わって来る。
背景も、まるで本物。
例えば、
稲実戦が始まったばかりの30巻を見てみよう。
この観客の描き方は寺嶋先生ですよね。
丁寧に描かれているのは観客だけではない。
試合を観に来ている青道野球部OB達も久々の登場なので、寺嶋先生は数年(10年?)ぶりに描いたのだろうけれど、顔は変わらない。彼らは重要な観客として稲実戦に何度も登場する。描き分け、大変そう。
OBだけじゃない。
青道に負けた他校の選手達↑も、重要な観客として何度も登場する。その一人一人がとても個性的。
この漫画、登場人物がやたらと多い。試合するたびに異なる相手チームの選手9人と監督が登場する。全部見事に描き分けられてる。
労力がかかりそうなのは人物だけではない。
試合の進行、1回の表と裏の1球目、2球目、3球目…それぞれ誰が投げ、打ち、カウントはどうとか、それが9回ある…。
それなのに、観客一人一人の表情や服装まで丁寧に描かれている。
こういう小さいコマの細部まで丁寧に描いてあるから、本物の試合を観ているようで、とてもワクワクして楽しい!
(下の画像二つでは同じ観客が再登場。気づいた?)