「バラバラ作文」、やってみる?

 

 ナポレオンライプツィヒの戦い(1813年)で敗北し、エルバ島に流される。ウィーン会議が踊っている間に、彼は捲土重来を図りヨーロッパに上陸するが、ワーテルローの戦いで再び敗北する。今度は南大西洋に浮かぶセントヘレナ島に流され、そこで生涯を閉じることになる。

 

 今回の授業実践は、ナポレオンがエルバ島から脱出してヨーロッパに上陸し、パリを占領し、フォンテヌブローに帰還するまでの新聞記事のタイトルの変遷を教材として活用する。新聞記事のタイトルは以下のとおりである(出典は資料集なのだが、どの出版社の資料集なのかは失念してしまった)。

2月26日 怪物、流刑地(エルバ島)を脱出
3月1日 コルシカの狼、カンヌに上陸
3月3日 悪霊、ガップに出現。討伐隊が派遣される。
3月5日 食人鬼、グラッスヘ。
3月7日 王位簒奪者、グルノーブルを占領
3月10日 悪辣皇帝、リヨンに。恐怖のため市民の抵抗はなし
3月15日 僭主、パリより50マイルまで迫る
3月17日 ボナパルト、北へ進撃するもパリ入城は不可能か
3月19日 ナポレオン氏、明朝パリへ
3月20日 皇帝陛下、フォンテヌブローへご帰還。皇帝万歳。

 この記事をもとに、日付を削除して順番をバラバラにしたプリントを生徒に配布する。以下の図では、文をA~Eまでの5つのグループに分けた。

 まずQ1として、ナポレオンのことを指している単語を10個書き出させる。「怪物」「コルシカの狼」「悪霊」「王位簒奪者」「ナポレオン氏」「皇帝陛下」などが挙げられる。

 

 Q2の前に、生徒に記事の内容を1文づつ切り分けるように指示する。そしてQ2として、地図やナポレオンの呼称をヒントに、バラバラになった1文ずつを時系列順に並び替えさせる

 

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 ここまでがナポレオンのエルバ島脱出と新聞記事のバラバラ作文である。生徒はただ資料を読む以上に、個々の文に注目してパズル感覚で作業に取り組むだろう。まとめとして、当時の政権とメディアの関係を指摘して、現代もメディアは今回学習したような危険性をはらんでいることを示唆して授業を終わりにする。およそ20分に満たない程度の授業実践であった。

 なおバラバラ作文のアイディアは国語の授業実践を参考にした。

 

 

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