こんにちは。

 

立春とは名ばかりの寒さが続いています。

寒くて身体が縮こまって肩こりなどの症状がありませんか?

暖かくなる日が待ち遠しいですね。

 

さて、今日はいよいよ認知症の4つのタイプの最終回、前頭側頭型認知症についてお話します。

認知症の病名の中で、もっとも聞きなれないものではないでしょうか?

いったいどんな病気なのでしょうか?

 

それでは見ていきましょう。

 

 

 前頭側頭型認知症とは? 

 

大脳の前頭葉・側頭葉を中心に神経細胞の変性・脱落などが起こり、人格変化や行動異常、言語障害、認知症などがみられる病気です。

 

いまのところ原因はまだ解明されていないので、

対症療法や場合により薬を投与して治療する以外に手立てはありません。

 

脳の神経細胞などの内部に異常タンパク質がの蓄積が認められる場合を前頭側頭葉変性症といいます。

脳の神経細胞にPick球が見られる場合はピック病と呼ばれ、前頭側頭葉変性症の約8割はピック病です。

これらは死後の剖検によって確定診断が下されます。確定診断までの間、便宜上つけられる病名が

前頭側頭型認知症です。

 

学研ココファンからお借りしました


前頭側頭型認知症の症状は? 

 

それではピック病に代表される前頭側頭型認知症に特徴的な行動の異変についてお話します。

これらの症状は、かなり早期から発現しますが(初老期)、ほかの認知症ではほとんどこの症状が見られないために認知症とは認識されず、わからないままに見過ごされたり、精神疾患と間違われたりしまいがちです。

代表的なものでは

常同行動・無関心/無気力・食の嗜好変化や、こだわり・共感や感情移入の欠如・不適切あるいは衝動的な行動をとる脱抑制などがあります。

これらは単独で現れる場合もありますが、他の症状と重なり合って出ることも少なくありません

 

 

 初期症状:人格変化 

 

初期症状として以下のような症状、人格の変化がみられます。


☆抑制が効かない・反社会的行動

☆注意障害

☆非刺激性の亢進

☆自発性の低下・無関心

☆共感・感情移入の困難

☆言語障害


常同行動

「常同行動」とは同じことを何度も繰り返す行動を指します。


毎日判で押したような生活をする

「時刻表的生活」

同じものばかりを好んで食べ続ける

「常同食行動」

同じ言葉を何度も繰り返す

「常同言語」

同じ道を歩き回る

「周徊」などがあります。


常同行動に身なりにまったく気を遣わないといったマナーを逸した脱抑制的な症状が重なる場合もあります。


無関心/無気力

家族が困っていても気にする様子もなく自分本位な行動をとったり、それまで熱心にやっていたことに

急に関心をなくすような場合も、 

前頭側頭型の症状である可能性があります。


食の嗜好変化やこだわり

食の好みがこれまでと変わり甘いものや味の濃いものが好きになったりします。

お酒なども付き合い程度だったのが急にアルコール依存症になったかと思うほど、手放せなくなったりすることがあります。

ま同じ店のものや同じ物しか食べないことが年単位で続く場合や、食べものではないものまで口にする

「異食」と呼ばれる行為も見られる場合があります。

 

共感や感情移入の欠如

前頭側頭型認知症は、なぜ?どうして?と理解に苦しむ行動や言動をとることがあります。

他者の要求や感情を読む能力の低下、あるいは他者の体験を想像する能力の低下等によって、

我が道をいくという行動をとってしまうことがあるからです。

 

脱抑制(不適切あるいは衝動的な行動等)

前頭側頭型認知症の場合、理性や感情をコントロールする前頭葉の萎縮いよって抑制が外れることで

「温和だった人が何かの刺激に衝動的に反応して怒りっぽくなったり」

「攻撃的になったり」することがあります。


言語障害

物の意味や名前が分からなくなり、物の名前が言えなくなります。

発語量が減少し、会話のリズムやアクセントがおかしくなることもあります。


運動障害

 パーキンソン病のような身体のふるえや突っ張りといった、転倒につながるような症状が見られることもあります。



前頭側頭型認知症指定難病であり、公的支援で助成金を受けられます。

前頭側頭型認知症と診断されたら、上手に利用しましょう。

 

 

 

 

以上で認知症についてはいったん終了します。

ざっくりとまとめましたが、ほかにもまだ認知症には若年性認知症やアルコール性認知症などの種類があります。

後日お伝えできればと思います。

 

いずれの場合でも、本人に自覚がある場合は苦しむこともあるでしょう。

また、家族がそのケアに振り回されて疲れ切ってしまうこともあるでしょう。

知人の場合は義母に独り歩き(徘徊)の症状があり、ドアの高所に何か所も鍵を取り付けてもいとも簡単に解錠して外出してしまうので、事故に遭わないようにと毎晩尾行して疲弊していました。

また金銭管理がおかしくなって大金を失ったりクレジットカードの使い方が異常になったり、時には万引きなどをしてしまうこともあります。

こういったことはできるだけ防ぎたいものです。

 

図表3-2-11 認知症の人の将来推計

厚生労働省ホームページより

 

今後、認知症患者数はますます増えていくと言われています。

それには個々の家族単位ではなく、認知症患者さんが安全に、事故や犯罪に巻き込まれたりすることのないように、

社会全体で見守っていく必要を強く感じています。

 

 

 

 

 

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