帯についているコメントが気になって手に取ってみた。


男女が迎えた最期の夜明らかにされなければならない、ある男の死の秘密。運命と記憶、愛と葛藤が絡みあう恩田陸の新たな世界。(内容紹介より)





お互いそれぞれの道に進むため、同居をやめ引越しをする男女。
引越しをする前にお互いが胸に抱えてる疑惑について、確認しておかないとならなくて昔を思い出しながら話しをしている物語だった。

色んな謎があって進むにつれて謎が増えていってしまうので、どんどん読み進めたくなった。
ページ飛ばしちゃいたいくらい。

ラストは他のレビューでも見られるとおり、そこまでの盛り上がりなく期待するほどの驚きや感動がなかった。。。
ラストまでは個人的に面白く読めていたんだけど。




でも、どうしてカメラに笑顔を向けるのか?という事についてのヒロの考えはすごく好きで、はっとさせられた。

アルバムの中には笑顔ばかり。
実際その集団の中に愛憎渦巻いているかもしれないのに。
笑顔のアルバムを見ていると、記憶が楽しかったって改竄されていく。
将来この写真を見る自分達に向かって、過去が悪いものではなかったと自分に言い聞かすために。

おもしろい分析だと思った。
ほんと、そうかもしれないね。

女性歌手のこの歌詞を思い出した
「恋人たちはとても幸せそうに
   手を繋いで歩いているからね
   まるで全ての事が上手くいってる
   かのように見えるよね、
   真実は 2人しか知らない」
懐かしい、。

見えているだけの事で分かった気になっていちゃいけないんだなぁ、って


恩田陸さんの他の本を読んでみたいな、って
思った。
他の本ではどんな言葉を紡いでいるんだろ?