心から願って謙虚に努力を続ければ、出会いに恵まれて自分が望むキャリアをつかむことができるのかもしれません。この小説は、与えられた仕事に対して誠実に取り組んでいれば、必ず理解してくれる人がいることを思い出させてくれます。手を差し伸べてくれた人たちに感謝して一生懸命に生きている登場人物ばかりで、自分の生き方を反省するとともに、温かいココアを飲んだ後のように癒されました。また、等身大の自分を受け入れることができるようになった気がします。
こんな風に書くと道徳の教科書みたいに退屈な小説だと思われてしまいそうですが、登場人物ひとりひとりが生き生きしていて、泣きたくなるくらい魅力的です。
私は産業翻訳に従事しているので、翻訳家が主人公の「あなたに出会わなければ」というエピソードが最も印象に残りました。私自身は産業翻訳に魅力を感じ、仕事に誇りを持っていて、できれば翻訳にずっと関わっていたいと思っています。そんな本当の気持ちを見つめるきっかけにもなりました。