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隣の県のショッピングセンター2Fにある「ロマーナ」という喫茶店は、歯医者さん後のひとりご飯でよくお世話になっている。

治療が終わったぞという達成感とともに、文字どおりほっと一息つく場所である。

禁煙席と喫煙席の真ん中の、小さなテーブルがいつもの席だ。
吹き抜けになった店内の大きなガラス窓からは湖国の希望に満ちた陽光がふりそそぎ、眼下の駅には電車がのんびりと入ってくる。

矯正の針金をギギッと締めてもらってからの3日間、食事は豆腐レベルのやわらかさが理想だ。ロマーナでは天使のようにフワフワのフレンチトーストが食べられる。確かな甘さと、とろける食感が歯と心に優しく響く。

そして矯正が終了した日も、あえてフレンチトーストを注文した。記念のフレンチトーストを儀式的に、感慨深く味わった。


今も経過を診てもらいに歯医者さんに通っている。
この日は新たな一歩を踏み出すための、初めてのメニューに挑戦した。その名も「チリスウィートオムライス」。

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たまごの色の美しさはフレンチトーストのそれと同じだった。

私にとって一歩踏み出すということは、大きな声で話し、(無理せぬ程度に)なるべく笑顔で暮らすことだ。まっすぐに相手と向き合い自分を知ることだ。
そして、ロマーナのオーナーご夫妻のようなやわらかさをまとった人間になりたい。