話すつもりはなかった。
だけど、わたしは大事な友達だって言う。
たぶん、初めて見た表情だった。
無理に聞き出すつもりはないけど
もしこれからひとりで抱え込んで悩むような問題があるんだったら
できるかぎり力になるって。
こんなセリフを面と向かって大真面目に言ってくれる。
誇らしかった。うれしかった。
ベランダでポツポツ話してみた。
ちょっとはぐらかし気味に笑い交りで話していたけれど
真剣な眼に口調も正直にメソメソする。
そして座り込んで、話してくれる。
わたしに対して、感じてくれていること。
そうだった。わたしのこと、本当によく理解してくれてるんだった。
そして教えてくれる。
正直なきもちを伝えることに勝てるものはない。それが一番の誠意。
相手に本気を求めないのは、自分にも逃げ道を作りたいからだって。
そのとおりだった。
いままでわたし、無意識に逃げ道をつくりながら生きてきたのかも。
気づかせてくれてありがとう。
パスタをごちそうしてくれた。甘くてあったかかった。
誰かの歌にあった叱られたあとのごはんみたいな
泣きたいような笑いたいような、洗われたきもちだった。
うれしそうに自慢してくれた新しいお財布の中に、お賽銭を入れました。
これっぽっちじゃとても足りないけど
あ…なんかしんみりしたけれど、とても元気です
