宗教と平和 | laphroaig-10さんのブログ

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◎「宗教と平和」(アーノルド・J・トインビー:昭和45年)




本来の神道は人間以外の自然―人間の最も古い尊敬の対象―の崇拝である。




人間は自然から良いものをとってしまうと、あとは自然をさげすむようになるものだ。そして人間の方が自然より上なのだ、と思うようになる。今日われわれは、結局、自然の方が上なのだという真理に気がついて来た。神を恐れぬ自然まっ殺と自然汚染が人類根絶の脅威となっているということに。われわれは自然の一部なのだから、人間が生存してきたこの自然環境に暴力を加えれば、罰を受けずにはすまないことぐらい全く当然のことである。




自然崇拝が日本で他のどこよりも長く生残っていたことは幸運だった。というのは自然を破壊するという点で日本は他のどの国よりも先に進んでしまったのだから。日本人は自然を街路、工場、アパートの下に埋めてしまった。彼らは車道や高速鉄道の交通に血道をあげて、自然に深い傷を負わせ続けている。凱歌をあげる科学技術のもつ荒廃的効果から日本を救うのに神道は成功できるだろうか?もしできたら、この尊敬すべき宗教は全世界に貢献することになろう。




*外国人が説くと、妙に納得してしまいます。ありがとうございます。


*トインビー(1889年4月14日 ~1975年10月22日)は、イギリスの歴史学者。


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