はじめに

 

 rockin'on.comが5曲オススメの記事を書いていたので、便乗して私も書こうと思う。Teleの書く歌詞は強い力を持っていて、何か人間の核心を突くような、そして勇気付けられるような最高な歌詞が多い。人はTeleの歌詞を「文学的」と評するが、言葉遣いだけではなく、その奥深さ含めて、まるで小説を曲にしたような詞を続々と綴っている。それがポップなメロディーに乗っていると、まぶたの裏に何か映像が思い浮かぶようで、奥深い歌詞に乗せられたメッセージの輪郭が徐々にくっきりとしてくる。その輪郭は、アサガオのように七変化する、いつも新しい気づきを与えてくれるのがTeleの歌詞の素晴らしさだと思う。

 

 さて、前書きで限界オタクがバレてしまった気もするが、以下で僕の好きな曲を頑張って5曲選んだので紹介しようと思う。これをきっかけに、Teleにどハマりしてくれる人がいると幸いである。

 

1. アンダルシア

 

 まず最初に紹介するのは、1stアルバムの1曲目を飾る「アンダルシア」だ。最初のワンマンライブ「東京宣言」の最初の曲でもあった。僕としては、「Teleの始まりの曲」と言えばこの曲なのである。

 この曲の好きなところを言葉にするのが難しいが、言葉にすると「懐かしさを感じる壮大なメロディー」なのかなと思う。僕自身は、小学生の時自分が遊んでいた公園を思い出したり、農業体験をした田んぼの景色を思い出したりした。ラスサビの「安心してそこで待っててくれないか」「この街のやけに湿った風も お社の祭り火照った君も全部もっと適当に愛すから」で、故郷の暖かさを感じルような、戻るべき"Home"があるような、そんな想いにしてくれる本当にいい曲だと思う。

 その暖かさが会場に一体感を与え、心に火をつけるような曲だと思うので、ぜひ夏フェスの1曲目で聴きたいなとおもう。

 

 

2. 私小説

 2曲に紹介するのは私小説、最近のフェスでは2番目に歌ってる曲ですね。この曲は非常にワクワクする曲である。

 私小説とは、「作者が直接に経験したことがらを素材にして、ほぼそのまま書かれた小説(Wikipedia)」のことらしい。この曲は、そんなタイトルの通り「文学的」と言われるTeleの真骨頂と言って良いような素晴らしい歌詞が綴られている。僕が一番好きなのは、「あなたによく似た人を私、この町で今も探してるの。」という部分だ。陳腐(古くさいという意味らしい)だとか振り返っているが、「古典」というべき、"I miss you."の美しい表現だと思う。

 そしてこの曲を語る上で外せないのがライブのアウトロだ。喜多朗の天才的な煽りとともに観客がともにジャンプするあの光景は何度見ても感動するし、この記事を読んでTele好きだなって思った人は絶対にライブに行って欲しい。全部天才だから選びきれないけど、個人的一番好きな煽りは、若者のすべての「お前らの足はなんのためについてるんだ!!飛ぶためだろ!!」ってやつです。次はライブ会場で、毎回違う煽りを、地面を蹴って堪能してください。最高なので。Lyric Videoも美しいので、ぜひ。

 

 

 

 

3. ことほぎ

 次は最新のシングル曲であるところの「ことほぎ」。この記事執筆時点で最新曲である。「ことほぎ」を漢字で書くと「言祝ぎ」あるいは「寿ぎ」と行った祝いの意味を含んでいるが、iPhoneの予測変換ではなぜか「呪言」と出てくる。なぜこうなったのかは良く分からないけど、Teleとこの予測変換の出会いは必然だったのではないかと思うほどに「祝い」と「呪い」の対比がテーマになっている。この辺の表現は本人のinstagramが素晴らしいのでリンクを貼っておく。

 この曲の好きなところは、例によってそれだけで記事がかけるくらいあるけど、ここでは自分の好きな歌詞について。「正しくはないけど間違っちゃないだろう 生簀の中で海を待ってる」と踏ん切りのつかない人にフォーカスしてから、サビの「愛される権利は君にある!」「もう全部がくだらなくて裸足のまま街を歩いてる」「拙い言葉で祝うからさ」って荒っぽく励ましてくれる感じが本当に背中を押されている感じで大好き。この荒っぽさが、勢いがいいんですよ。

 そしてこの曲について妄想が1個だけ。ワンマンライブ「祝/呪」でアンコール前最後の曲でMCから入って最後の「背景 僕らきっと〜」は観客全員で大合唱。ここで会場が一体感になる。そんな最高の瞬間を妄想して勝手に感動してます笑笑

 

 

 

 

 

 

4. comedy

 次に紹介するのは、僕がTeleを知ったきっかけであるcomedy。この曲を教えてくれた友人、本当に感謝してます。ちょうど一年前くらいに、この曲のMVを見たときをよく覚えている。軽快なメロディーと、ボーカルの声、MVの勢い、そして最後までずっとテンションが上がったまま聴ける曲調にはまさに一目惚れだった。そのあと歌詞を見たら素晴らしくて、さらに惚れた。「すべて喜劇に変わるはずなんだ。そんなわけがないけどさ。」なんだってコメディにしたい時だってある、それが一番だと思うけど、そんなのは幻想。そんな悲哀をなんとも美しく表現してて大好きなんです。Teleの曲を聴いてる時は、ライブにいる時はすべてが喜びに包まれるから、大好きなんです。

 この曲で良く思い出せるのは初ワンマンライブの東京宣言だ。終始最高のライブだったけど、この曲のイントロが始まった瞬間のボルテージの上がり方、そのときたった鳥肌を今でも覚えている。本当に、ぐわあと会場全体のテンション爆上げで最高だった。あの一体感を味わいたいし、まだの人は味わって欲しい。

 

 

 

5. 花瓶

 最後に紹介するのは、代表曲と言っても差し支えないかなと思う「花瓶」だ。この曲の特徴は何よりも「盛り上がる」ことだろう。"This is our song, darling?"で始まるこの曲、ライブで喜多朗に"our song"だなんて言われたら歓喜しちゃうね。そのあとは、「たーたらったたらった」と観客で大熱唱するのがマジで最高。その間楽しそうにしてる喜多朗も最高。

 この曲はMVが本当に素晴らしい。加藤マニさんという方がディレクターを務めているのだが、歌詞の描写が本当に好き。このツイートにある「実は歌詞や曲の中にすでに書かれていることなので、わたしはそれをなぞるだけ」っていう部分が、Teleとマニさんの相互リスペクトを感じて最高に好きだし、最高なタッグなんだなって思う。本人が気に入っているという、スケッチブックのくだりも疾走シーンも実に歌詞の奥深さを映像にしてて本当に最高。ぜひまたディレクターを欲しいなって思う。

 

 

 

 

 

おわりに

 できるだけ短く絞ったつもりだけど、気づいたら4000文字超えてましたね。一番難しかったのは、5曲選ぶことです。どの曲も本当に素晴らしいので。

 本当にTeleって魅力が誇張なしに無限なので、作品と触れるたびに(曲、MV、ライブ、SNSの投稿などなんでも)毎回新しい素晴らしい気づきがあって惚れ続けてます。これを読んでTeleの良さを知ってくれた人、再認識してくれた人がいたら嬉しいなって思います。ぜひみんなの好きなTeleを語り合いましょう。いつでもTeleの素晴らしさを語り合う準備はできてます。

 

 それじゃあ、世界、おやすみ。