伊達公子の再チャレンジを応援し続けるブログ

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東レでの怪我から手術、リハビリ、長い間のブランクを経て、岐阜のカンガルーカップで復帰すると聞いて、居ても立ってもいられず駆けつけることにした。

なんといっても、岐阜は再チャレンジを始めた思い入れのある場所。奈良くるみがまだ駆け出しのころも核の違いを見せつけて勝った場所。伊達の発言を取り入れてオムにコートからハードコートにサーフェスを替えた場所。そして、もしかしたら最後のなる課も知れない場所。

いろんな思いがあった。

相手は第3シード、WCで出場の伊達としては文句言えないけど、ちょっと厳しいかなと思った。伊達の肌も白く、いささか腕も脚も細く見える。

 

以下引用

 客席から立ち上る、果たして最後まで試合ができるのかという不安と、伊達公子ならまた奇跡を見せてくれるのではという微かな期待……それら種々の思いが交錯するコート上で、伊達は試合開始直後に、いきなり相手ゲームをブレークしてみせる。バックのスライスを巧みに用いて相手のリズムを崩し、主導権を手元に手繰り寄せる戦術眼は健在。特にこのゲームの最後に決めた鮮やかなボレーは、9年前に奈良を驚嘆させた「駆け引きの能力」が、少しも錆(さ)びついていないことを証明する一撃だった。

 

 しかし、拭いきれぬ膝への不安と1年以上実戦から離れたことによる試合感の欠如が、少しずつミスを誘発していく。5度のデュースの末に奪ったブレークや、伝家の宝刀たる鋭いリターンウイナーを度々決めるなど見せ場を作った注目の復帰戦は、結果的には2−6、2−6で終幕した。

復帰戦は敗戦「勝負に勝てる可能性は感じられた」

「勝負に『たら・れば』はないとはいえ、序盤のゲームポイントが取れていたら……とか、ブレークができていたらと感じることはあった」

 試合後に、伊達は率直に振り返る。

「膝の状態を思えば、テニスのクオリティーを上げるところまで練習ではこられなかった」と自分を説き伏せるように口にするも、試合になれば「欲は出てくるし、もどかしさも感じた」と言って笑みを広げた。

 

「もどかしさを感じるのは、そこまでやれているということ。良い選手を相手に試合には負けたけれど、勝負に勝てる可能性は感じられた」

 試合前の独特の緊張感に、コート上で覚えたもどかしさや葛藤……久々の実戦の風が与えてくれた全ての感情を、彼女は喜びと捉えているようだった。

 

 9年前、その後も長く続く挑戦の道の鳥羽口に立ち、開ける前途をその目に映した伊達公子は、9年後に同じコートで、再び希望の光を見いだしていた。

 

「やっと、スタートラインに立てたかな……と」

 

 まだ終わらぬチャレンジの、新たな章が幕を開けた。