本の表紙の美しさに惹かれ、ローラ・アボット(Laura Abott)のアンバージャック・ショアーズ・シリーズ(Amberjack Shores)を読み始めました。その1冊目が『The Island Inn』です。(残念ながら、日本語訳はまだないようでした。)

 

目の前に海が広がるビーチリゾートでの休暇の間、この非日常の中でなにかが起こりそうなワクワク感を感じさせる表紙で、あらすじも読まず、直観でこのお話を聞きました。(オーディオブックでの耳読)

 

 

【あらすじ】

弁護士のベッカは、自分を捨てた元夫クリスから経営難のフロリダにあるリゾート「アンバージャック・ショアーズ」を相続しました。売却するつもりでしたが、フロリダの太陽が降り注ぐ海辺の暮らしと温かな人々に触れるうち、これまで封じ込めていた情熱が再燃。
 

娘のケイティもまた、自由に暮らす写真家との出会いを通して、医師への道に疑問を抱き始めます。

しかし、ベッカの元夫の失踪に隠された衝撃の真実が浮上。ようやく築きかけた新しい絆が、過去の影に脅かされていきます。


新たな恋、家族の絆、そして明かされる過去の秘密。「真の居場所」を求める女性たちの姿を鮮やかに描いた、感動のビーチ・ストーリー。(アマゾン「The Island Inn」あらすじの要約)

 

面白くて、お話も聞きやすく、数日ジョギングや散歩をする間に聞き終えました。

 

「家族」になっていくプロセスの心地よさ
 

読み終えてまず感じたのは、私はこういう「家族の物語」が好きなんだな、ということです。たとえ血縁がなくても、あるいは一度は縁が切れた関係であっても、様々な出来事の中で意見を交わし、時にぶつかり、ぐちゃぐちゃな中からも、新しい絆が生まれてくる過程にとても心打たれました。

 

特に、ベッカと、かつての義母であるリンダとのやり取りが印象的です。さらに、元夫の兄弟であるタイラーやマットとの関係も、最初は遺産を巡るギスギスした腹の探り合いから始まりました。

 

しかし「宿の経営を立て直す」という一つの目的に向かって、彼らが少しずつ足並みを揃えていく。そのプロセスが本当に心地よく、バラバラだった人々が本当の意味で「家族」になっていく姿に、こちらの心まで再生されていくような感覚でした。

 

マットやタイラーを含め、その他、マットの妻シャノンや息子のハドソン、そして一家の精神的支柱であるリンダ。 半世紀以上もこの宿を守ってきたリンダたちの想いや、舞台となるアナスタシア島のゆったりとした時間の流れが、それぞれに葛藤を抱える人々に、新しい可能性を見出す手助けをしているように感じました。

 

忘れかけていた「恋のドキドキ」を思い出す

また、娘ケイティと写真家ジェイクの海辺での恋も、この物語を彩る大きな魅力です。これまで母の言葉に従い、将来の生活に困らない「医師になる道」だけを歩んできたケイティにとって、招待されていない結婚式に紛れ込んだり、サーフィンを教わったりするのは、何もかもが初めての経験。

 

「愛は時間をかけて育むもの」と頭では分かっていても、直感的に惹かれていく自分に戸惑う彼女の姿について聞きながら、
 

「それね~、本能がそっちに向かっているんだったら、もう止められないよね~」


と声をかけてあげたくなりました。なんだか、自分の大学時代の恋を思い出して、少し甘酸っぱい気持ちです。

 

私自身の「本当の居場所」とは
私自身も「本当の居場所」について考えさせられたお話でした。

 

昨年定年退職をして、企業で働いてきた時とはまた違った働き方をし始めました。最近では東北にいる実家の両親の介護で実家と自宅を行ったり来たり。

 

退職後にしたかったことはしばしお預けですが、今できること、できないこと、そして、この話を聞きながら、今後の私の在り方、居場所などについて思いを馳せました。

 

ベッカやケイティがアナスタシア島で自分自身を再発見したように、居場所とは場所そのものだけでなく、「自分が自分らしくいられる人たちとの繋がり」も関係があるのかもしれません。

 

過去のしがらみや未来への不安があっても、今この瞬間の大事にして、一歩踏み出すことが大切と感じました。今の生活(介護や新しい仕事)もまた、私の大切なプロセスの一つですね。。

 

最高の「ビーチ・リード」として

この本を聴きながら、かつて訪れたハワイのビーチで感じた、あの開放的な空気を思い出していました。

 

潮風の香りとともに、少しずつ解き明かされていく家族の秘密。それは決して楽な道のりではないけれど、最後には温かい光が差し込む。そんな物語の力に、私自身のこれからの歩みを重ねずにはいられませんでした。

 

「今」という瞬間を大切に、一歩ずつ。 忙しい日常をひととき忘れて、海の癒やしと「自分に還る時間」を味わいたい方に、ぜひ手に取ってほしい物語です。
 

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