やり過ぎな台湾映画 「哭悲 THE SADNESS 」 | 映画と音楽のある生活

映画と音楽のある生活

主に映画と昔聞いたレコードの感想などを書いています。

 ゾンビ物です。結構、ゴアシーンが強烈なので、苦手な方は視聴しない方がよいと思います。

 台湾映画と書きましたが、監督はカナダのアニメーターで、当作が長編映画のデビュー作だそうです。

 コロナウイルスを連想させる新型ウイルスが台湾で突然変異し、感染した人間が狂暴になるという設定です。他のゾンビ物と違うのは、感染した人間は元々の思考力は残しており、ヨタヨタと彷徨い歩く訳ではありません。意思を持って、狙った人間を走って追いかけて来たり(走って追いかけてくるゾンビは他作品でもありましたが。)汚い言葉で回りの人間を罵ったりします。

 最初のファーストフード店で「黒目」になった老婆(黒目になることが感染の印らしい)が、周りの人間に唾を吐きかけたり、店主をフライドポテトの油で顔を焼いたりします。このシーンを見て、当作を見るのを止めようかと思いましたが、我慢して最後まで見ました。

 ヒロインの女性(結構、美人です。)は地下鉄で隣に座った勤め人風の中年男性からしつこく言い寄られます。(すでに、この男性は感染していたと思われます。)やがて、別の感染者が乗車して来て殺戮が始まります。ヒロインの女性は、中年男性に傘で左目を刺された小太りの女性と逃げ回ります。この中年男性はヒロインに狙いを定め、消火用の斧を持って、どこまでも追いかけて来ます。ヒロインの運命は、、、、!

 他のゾンビ物のオマージュと思われるシーンも複数あり、監督はアニメーターだけあってゴアシーンには、かなり力を入れたことが分かります。ラストの屋上にヘリコプターが救出に来るというのもロメロの「ゾンビ」に酷似しています。

 その分、ストーリーに新鮮味は無かったと思う。設定として面白かったのは、当作のゾンビは、感染前の意思を超邪悪にした存在になることでした。

          アマゾンプライムで視聴