現在、アマゾンプライムは西川美和監督の全作品を無料公開とのこと。「ゆれる」も良かったし、当作も面白かったので全作品を視聴しようと思う。
明智家の長女「倫子」(つみきみほ)は教師であり、同じ教師の「鎌田」(手塚とおる)と付き合っている。ある日、彼を自宅へ招待して両親(平泉成・大谷直子)に引き合わせる。自宅には認知症の祖父がいるが、「鎌田」も明智家の雰囲気が気に入った様子だった。
ところが、祖父の死去に伴う葬儀に、勘当していた長男(宮迫博之)が帰ってきたことから家族関係に亀裂が生じる事になる。
会社勤めの頑固者と思われていた父は、実は会社をクビになっており、それを誤魔化す為に多額の借金をしていた。葬儀に押しかけてきた借金取りの間に入ってのは、放蕩息子の長男だった。
配役で面白かったのは、この長男を演じた宮迫博之だ。お笑いの人というのは知っていたが「雨上がり決死隊」というグループ名は知らなかった。もちろん漫才も見たことがない。一時期「闇営業問題」で話題になったことしか印象がない。でも、なかなかの色男だと思った。
オールドファンに懐かしいのは、大谷直子だ。朝ドラの「直子とおばあちゃん」をリアルタイムで見ていたと言うと化石扱いされるかもしれない。
親切そうに家族に入り込んで来た長男を最後まで長女は疑い続ける。子供の頃、学校の裏山に「蛇イチゴ」があったというのも嘘だと長女が主張した為、兄妹は二人で山に入る。「蛇イチゴが本当にあったのか?」というオチで当作はエンドロールとなる。
なかなかの秀作だと思った。