50代の時に一時期首都圏に住んでいた。その時に池上線を使ったのだけれど感慨無量だった。この曲でしか知らない池上線に初めて乗ったからだ。車両は古くなく普通に立派だったと思う。
この曲のレコードを買ったのは、高校2から3年生の頃だと思うけど何故買ったのかはっきり憶えていない。
西島三重子さんは、この曲以外知らないし本人が歌っているのをライブはもちろんTVでも見たことがなかった。この曲は、有線を中心に息の長いヒットとなった為、西島さんご本人もいつヒットしたのか、わからなかったと言う。
普通、曲には特定できる地名などは入れないのがセオリーと言われる。曲調がよく似ている野口五郎の「私鉄沿線」も〇〇線と特定はしていない。それを、田舎者の私が言うのも申し訳ないけど、同じ東急でも東横線や田園都市線の様なオシャレな路線に比べるとローカルな池上線を舞台に、いわくありげなカップルの別れを描いている。あえて池上線をタイトルにして曲を作ったのがヒットの最大の要因だと思う。踏切を渡ると商店街があって、「これもちょっと暗い感じなんだろうな?」などと場所は知らないけれど曲に合わせて情景が目に浮かぶ様だ。最初のハーモニカのイントロから始まり、ニューミュージックとは絶対に言えない歌謡曲的な曲調が実に詩にマッチしている。
なんでも昭和と言って懐かしがるのもどうかと思うけど、本当に懐かしさ溢れる名曲だと思う。