当時、TBSラジオの深夜放送でベストテン番組を聞くのが好きだった
私は、この曲を聞いて衝撃を受けた。まだ、拓郎&陽水が絶頂期で
女性SSWが珍しかった時代に、無名の女性シンガーがポプコンで
グランプリを獲得したこの曲で何週間もトップを独走し続けたからだ。
この曲がメガヒットを飛ばした1973年。映画界で公開されたのは、
なんといってもブルース・リーの「燃えよドラゴン」があり、他には
3代目ジェームズ・ボンドの「死ぬのは奴ら」や、フレドリック・フォーサイスが架空のドゴール大統領暗殺を描いた「ジャッカルの日」があった。
いずれも映画館で見たが、結構な当たり年だったと思う。
芸能界では、山口百恵が「としごろ」を歌ってデビューしている。
「あなた」だけど、歌詞はベタな「マイホームへの憧れ」が描かれている。後の漫才ブームで、「大きな窓に小さなドアがあって子犬も遊べて
古い暖炉がある家の、どこが小さいんじゃ!」と揶揄された。
小坂明子さんは、その年のNHK紅白歌合戦で指揮者である
お父さんと親子共演をしている。おそらく、この番組で親子共演
した人は居ないのではないだろうか?
シンデレラガールに良くあることかもしれないけど、その後は
ほとんどヒットも無く「一発屋」で終わったのは残念なことだと思う。
昭和のこの頃、働いて、結婚して、マイホームを手に入れ、
子供は二人、、、。という人生モデルをみんな信じて頑張っていた。
「一億総中流」という言葉があったけど、一億も中流も、どこへ
行ってしまったのだろう。