シリーズ40周年の20作目で、結果としてピアース・ブロスナン=ボンドの最終作となりました。今度の敵は北朝鮮ですから、実在する国家を悪の枢軸として描くのだから、なかなか問題作ではあります。だから、敵は早々に整形手術をして西洋人の顔になったのかもしれません。
作品的には記念作品としての「ボンド祭り」ですから、言うことはありません。この作品の評論を読むと、いたるところに過去の作品のオマージュがあるらしいですが、私には、ほとんど分かりませんでした。飛行機の中で敵が誤射をして窓が割れ気圧が下がり人や物が外へ吹き飛ばされるのは「ゴールド・フィンガー」のオマージュなのだろうか?
私は、ボンドガールのハルベリーが急遽飛行機を操縦するシーンを見ると「エグゼクティブディシジョン」を思い出し、敵の氷の宮殿に忍び込むシーンを見ると、いっそ「キャット・ウーマン」の恰好で出てくればよいのにと思ってしまう。
この作品で案外好演していると思うのが敵の部下の「ザオ」である。この俳優さんは「エンド・オブ・ホワイトハウス」で再びホワイトハウスを占領する北朝鮮のテロリストを演じている。韓国系の俳優さんとして北朝鮮のテロリスト役はハマり役なのだろう。
最後にツッコみを入れるとしたら主題曲である。マドンナが歌っているが、ゴールドフィンガーの際、「ビートルズは耳栓をして聞くべし」と言っていたボンドだが、「死ぬのは奴らだ」ではポールマッカートニーが主題歌を歌っていた。
先日、亡くなったと報道された初代ボンドは、シリーズの主題曲をマドンナが歌っていると聞いたら、どうコメントするのだろうか。
いっそ「マイケル・ジャクソン」の方が良かったというかもしれない。
ショーン・コネリーを悼んで。合掌